秩禄処分 明治維新と武家の解体

マイページに作品情報をお届け!

電子あり

秩禄処分 明治維新と武家の解体

チツロクショブンメイジイシントブケノカイタイ

講談社学術文庫

秩禄処分とは、明治9年、華族・士族に与えられていた家禄を廃止し、「武士」という特権的身分を解体した変革である。現代にたとえれば、公務員をいったん全員解雇して公職を再編するようなこの措置は、なぜ、曲折を経つつも順調に実施され、武士という身分はほとんど無抵抗のまま解消されたのか。江戸時代以来、「武士」はどのように位置付けられ、没落する士族たちは、新たな時代にどう立ち向かっていったのかを明らかにする。


「秩禄処分」とは、明治9年、それまで華族・士族に世襲的に与えられていた家禄を廃止し、「武士」という特権的身分を最終的に解体した改革である。
明治維新の「三大改革」といえば、「徴兵制」「学制」「地租改正」といわれるが、本書の著者によれば、「秩禄処分」はそれに匹敵する大改革であるという。
現代にたとえるならば、公務員をいったん全員解雇して退職金も国債での支給とし、そのうえで必要最低限の人員で公職を再編するというような措置である。
この旧支配層の特権を廃止し、社会全体を再構築する政策は、曲折を経つつも順調に実施され、武家はほとんど無抵抗のまま王政復古からほぼ10年で解体されたのだが、なぜ、このようなことが可能だったのか。
本書では、そもそも江戸時代以来、「武士」とはどのようなものと位置付けられていたか、そして、没落する士族たちは、新たな時代にどのように立ち向かっていったのかを明らかにしていく。
既得権を解消して社会を再構築するという本来の意味の「リストラ」に成功した歴史から、現代の私たちが学ぶべきことは多いだろう。
〔1999年、中央公論新社刊の同名書籍の文庫化〕


  • 前巻
  • 次巻

目次

第一章 江戸時代の武士
第二章 維新期の禄制改革
第三章 留守政府の禄制処分計画
第四章 大久保政権の秩禄処分
第五章 禄制の廃止
第七章 士族のゆくえ

書誌情報

紙版

発売日

2015年12月11日

ISBN

9784062923415

判型

A6

価格

定価:1,100円(本体1,000円)

通巻番号

2341

ページ数

256ページ

シリーズ

講談社学術文庫

電子版

発売日

2015年12月25日

JDCN

0629234100100011000U

初出

本書の原本『秩禄処分――明治維新と武士のリストラ』は、1999年に中央公論新社より刊行されました。

著者紹介

著: 落合 弘樹(オチアイ ヒロキ)

1962年大阪府生まれ。中央大学文学部卒。京都大学人文科学研究所助手などを経て、現在、明治大学文学部教授。博士(文学)。主な著書に『明治国家と士族』『西郷隆盛と士族』『敗者の日本史18 西南戦争と西郷隆盛』など。

オンライン書店一覧

ネット書店一覧

電子版取扱い書店一覧

関連シリーズ

BACK
NEXT

製品関連情報