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刺青・性・死 逆光の日本美
シセイセイシギャッコウノニホンビ
- 著: 松田 修

刺青、それは閉ざされた美である。暗黒のゆえに極彩の美である。秘めよ、秘められよ、開かれてはならない。いつの日にも俗物への、体制への、衝撃であらねばならない――。生命に彫り込まれた虚構、解脱を拒否した無頼の詩語。それはいかにして芸術に高まったのか。異端美の系譜を追究し続けた著者による、日本刺青の精神史。
刺青、それは閉ざされた美である。暗黒のゆえに極彩の美である。秘めよ、秘められよ、開かれてはならない。いつの日にも俗物への、体制への、衝撃であらねばならない――。生命に彫り込まれた虚構、解脱を拒否した無頼の詩語。それはいかにして芸術に高まったのか。異端と抵抗の系譜を追究し続けた著者による、日本刺青の精神史。
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本書の題名は、「刺青(しせい)・性(せい)・死(し)」と読んでほしい。刺青を「いれずみ」とは読んでほしくない。いうまでもなく、「いれずみ」は近世における法制用語である。――「あとがき」より
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目次
【刺青】
一 刺青への誘い
二 刺青・その秘匿と顕示
三 革命と聖痕
【性】
一 痛みと怨恨の機能
二 南北復活における血の論理
三 絵金神話の詩と真実
四 戯画としてのユートピア
【死】
一 一人による犠牲死
二 性と死の冥婚
(解説 平井倫行)
書誌情報
紙版
発売日
2016年02月11日
ISBN
9784062923484
判型
A6
価格
定価:1,155円(本体1,050円)
通巻番号
2348
ページ数
312ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2016年02月26日
JDCN
0629234800100011000Q
初出
本書の原本は、『刺青・性・死――逆光の日本美』として1972年に平凡社から刊行されました。
著者紹介
松田修(まつだ おさむ) 1927年生まれ。京都大学国文学科卒業。法政大学教授などを経て、国文学研究資料館名誉教授。専攻は日本近世文学・日本芸能史。異端という視点から近世文化の陰闇に切り込み、美の様式をあらわした。日本の刺青研究の第一人者としても知られる。2004年逝去。著書は『松田修著作集』(全8巻、右文書院)としてまとめられている。