宮部みゆきの怖い話

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宮部みゆきの怖い話

ミヤベミユキノコワイハナシ

怖さ一気読み!背筋が凍る怖さ満載!
とにかく怖い!読み切り小説4本!

超ベストセラー作家が贈る、本物の恐怖小説

――あれはね、すごくお腹を空かしているんだよ。おゆうは一瞬、姉が「あれ」と吐き捨てるように呼ぶものの正体を、振り返ってこの目で確かめたいと思った。だが振り向こうとした寸前に、「あれ」が唸るような声をあげるのが聞こえてきて、気持ちがくじけた。

「そこに何かいるっての?何もいないじゃない」

――鬼さんこちら、手の鳴るほうへ。

首は泳ぐように太郎の顔のすぐそばまで近づいてきた。真っ赤なくちびるが割れて、太郎の顔に、墓場の土のように冷たい息がかかった。女の首はひと言、呻くように言った。「今度はとり逃がすものか、首をとってやる」


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書誌情報

紙版

発売日

2010年01月14日

ISBN

9784063794137

判型

B6

価格

定価:576円(本体524円)

ページ数

212ページ

シリーズ

講談社 MOOK

初出

「布団部屋」、「梅の雨降る」、「安達家の鬼」、「女の首」いずれも角川文庫「あやし」より収録した。

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  • お知らせ

    宮部みゆきさんが第70回菊池寛賞を受賞しました!(2022.10.11)