
マイページに作品情報をお届け!
井上陽水英訳詞集
イノウエヨウスイエイヤクシシュウ
- 著: ロバート キャンベル
井上陽水デビュー50周年、『ブラタモリ』のテーマ曲をはじめ、私たちの心をずっと捉えて離さない陽水の名曲の数々。ロバート キャンベルが人生を彷徨っていた時代から、病の日々も傍らにあったのは陽水の歌だった。初期の代表作から陽水を象徴する曲まで、厳選歌詞50作を英訳。英語というフィルターを通すことで炙り出されてくる陽水のメッセージ。この本はスリリングなほどのくわだてなのだ。
「陽水はうなぎだ」これは陽水の親友であるユーミンが放った一言。
後日TOKYO FMの番組で陽水と対談したキャンベルは、ついにうなぎを捕まえる。これまで陽水は決して歌詞について語ろうとしなかったが、沈黙は破られた。スタッフが固唾を飲む中初めて自らの歌詞について語る。同番組「ミュージックドキュメント 井上陽水×ロバート キャンベル『言の葉の海に漕ぎ出して』」は、日本放送文化大賞グランプリなど放送界の大きな賞を多数受賞。
この対談も含めて評論パートでは、何にこだわり、どんな心情を込めてきたのか陽水自身の言葉も多数紹介。「青い闇の警告」では、「言葉をそういうふうに並べることで、切なさや、人間って何だろうと想像してもらうんです。それこそがこの歌詞の目論見なのです」と。
病に倒れたキャンベルが病床で1日1作を英訳していったことから本書は生まれた。評論では人間の業や願いをすくって文学世界にも分け入っていく。命のカウントダウンが始まったとき、作家たちは何を日々記したか、何を望んだか。陽水の歌から、宮沢賢治、中江兆民、正岡子規など近現代の作家たちの声が立ち上ってくる。さらに、陽水が受けていたボブ・ディランの影響、ジェーン・バーキンらは陽水の「カナリア」をどう解釈したのかも――。愛や人間、人生、社会と、本書の中で陽水の言葉が読み手をも照らしていく。
【本書収録の英訳詞】
限りない欲望・人生が二度あれば・断絶・もしも明日が晴れなら・家へお帰り・傘がない・つめたい部屋の世界地図・東へ西へ・かんかん照り・夏まつり・夢の中へ・心もよう・帰れない二人・氷の世界・夕立・ゼンマイじかけのカブト虫・二色の独楽・招待状のないショー・青空、ひとりきり・曲り角・結詞・青い闇の警告・ミス コンテスト・甘い言葉ダーリン・なぜか上海・海へ来なさい・勝者としてのペガサス・ジェラシー・とまどうペリカン・カナリア・お願いはひとつ・ワカンナイ・背中まで45分・バレリーナ・いっそ セレナーデ・ダンスはうまく踊れない・飾りじゃないのよ 涙は・ワインレッドの心・ミスキャスト・恋こがれて・最後のニュース・少年時代 ・Just Fit・ドレミのため息・嘘つきダイヤモンド・アジアの純真・積み荷のない船・ビルの最上階・長い坂の絵のフレーム・覚めない夢
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
はじめに 「井上陽水はうなぎだ」
第1章 時を彷徨う中で
震災、鳴子温泉ブッククラブ
博多、陽水の曲へ
入院、命の静止点に始まる
偶然、オーディションに来たサラサさん
時限、作家たちの終わらせ方
余白、不寛容な時代と「最後のニュース」
第2章 余白に気をつけろ
A.時の設え
B.鳥を逃がした
C.愛
D.同時代性
第3章 井上陽水英訳詞集
限りない欲望・人生が二度あれば・断絶・もしも明日が晴れなら
家へお帰り・傘がない・つめたい部屋の世界地図・東へ西へ
かんかん照り・夏まつり・夢の中へ・心もよう・帰れない二人
氷の世界・夕立・ゼンマイじかけのカブト虫・二色の独楽
招待状のないショー・青空、ひとりきり・曲り角・結詞・青い闇の警告
ミス コンテスト・甘い言葉ダーリン・なぜか上海・海へ来なさい
勝者としてのペガサス・ジェラシー・とまどうペリカン・カナリア
お願いはひとつ・ワカンナイ・背中まで45分・バレリーナ
いっそ セレナーデ・ダンスはうまく踊れない・飾りじゃないのよ 涙は
ワインレッドの心・ミスキャスト・恋こがれて・最後のニュース・少年時代
Just Fit・ドレミのため息・嘘つきダイヤモンド・アジアの純真
積み荷のない船・ビルの最上階・長い坂の絵のフレーム・覚めない夢
書誌情報
紙版
発売日
2019年05月16日
ISBN
9784065131312
判型
A5変型
価格
定価:2,970円(本体2,700円)
ページ数
306ページ
著者紹介
ロバート キャンベル Robert Campbell 日本文学研究者。国文学研究資料館館長。東京大学名誉教授。 ニューヨーク市生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。ハーバード大学大学院東アジア言語文化学科博士課程修了、文学博士。1985年に九州大学文学部研究生として来日。専門は近世・近代日本文学。とくに江戸後期~明治前半の漢文学に関連の深い文芸ジャンル、芸術、メディア、思想などに関心を寄せている。著書には『Jブンガク 英語で出会い、日本語を味わう名作50』(編集、東京大学出版会)、『ロバート キャンベルの小説家神髄 現代作家6人との対話』(編著、NHK出版)、『東京百年物語』1~3(編集、岩波文庫)などがある。
オンライン書店一覧
関連シリーズ
-
沢田研二の音楽を聴く
-
呼び屋一代 マドンナ・スティングを招聘した男
-
ネットオーディオのすすめ
-
1976年の新宿ロフト
-
ロックをデザインする男 サカグチケン dead start
-
「90年代J-POPの基本」がこの100枚でわかる!
-
ボカロソングガイド名曲100選
-
知られざるヴィジュアル系バンドの世界
-
作曲の科学&楽器の科学
-
楽器の科学 角笛からシンセサイザーまで
-
プリンス オフィシャルディスク・コンプリートガイド
-
「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!
-
伝説のイエロー・ブルース
-
楽器の科学 美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」
-
新宿ルイード物語 ぼくの青春と音楽
-
ニューミュージック 愛をよろしく 32人の青春譜
-
ブルース心の旅
-
演奏家が語る音楽の哲学
-
才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか?
-
「メタルの基本」がこの100枚でわかる!
-
J-ROCKベスト123 1968~1996
-
日曜日は歌謡日
-
作曲の科学
-
音楽の理論
-
ディランを聴け!!
-
ビートルズから始まるロック名盤
-
リッスン ジャズとロックと青春の日々
-
音楽展望
-
僕の昭和歌謡曲史
-
アナログを蘇らせた男
-
青春を熱く駆け抜けよ!
-
証言・現代音楽の歩み
-
フォークソングの東京・聖地巡礼 1968-1985
-
音律と音階の科学
-
ヒットの崩壊
-
ニッポン エロ・グロ・ナンセンス
-
ジャネット・ジャクソンと80’sディーバたち
-
ピアニストは語る
-
138億年の音楽史
-
ニッポンの音楽
-
伝説のロック・ライヴ名盤50
-
音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵
-
ロックの歴史
-
ジョン・レノンから始まるロック名盤
-
木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」
-
大人のための3日間楽器演奏入門
-
紙のピアノの物語
-
音楽と言語
-
ライブハウス「ロフト」青春記
-
ブリティッシュ・ロック 思想・魂・哲学
-
アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースから
-
40歳からのピアノ入門