西洋中世の愛と人格 「世間」論序説

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電子あり

西洋中世の愛と人格 「世間」論序説

セイヨウチュウセイノアイトジンカクセケンロンジョセツ

講談社学術文庫

 ヨーロッパ中世の社会を、伝説、民話、さらには法や経済などさまざまな位相から総合的に再構築し、共同体のあり方を生き生きと描き出した西洋史学の泰斗、阿部謹也(1935-2006年)。晩年は西洋史家ならではの視点から、「世間」を軸にした独創的な日本人論を展開したことでも知られる。
 なぜ、日本人は「世間を騒がせて申し訳ありません」と謝罪するのか。無実ならば決して謝罪せず、世の中が納得するまで主張を続ける西洋との違いはどこから生まれるのだろうか。日本古来の「世間」と対比させつつ、西洋の「社会」を構成する「個人」や「愛」がヨーロッパで成立する過程を描き出した本書は、代表作『「世間」とは何か』を著者の本領たる西洋中世史から裏づける作品であり、一連の「世間論」の原点でもある。
 著者は本書でこのように述べている。「大切なのは、わが国では、「社会」と「世間」という二つの用語の世界があるということを、まず認識することである」――。日本の共同体があらゆる水準で崩壊しつつある今こそ読みたい、人と人とのつながりの根源を照らし出す一冊。(原本:朝日新聞社、1992年)


ⒸAsako Abe

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目次

I 世間と社会
II 個人と人格の成立について
III 神判の世界とケガレ
IV 西欧における愛のかたち
あとがき
初出一覧

書誌情報

紙版

発売日

2019年12月12日

ISBN

9784065182062

判型

A6

価格

定価:1,221円(本体1,110円)

通巻番号

2594

ページ数

288ページ

シリーズ

講談社学術文庫

電子版

発売日

2019年12月11日

JDCN

06A0000000000167923I

初出

本書の原本は、1992年に『西洋中世の愛と人格――「世間」論序説』として、1999年に『「世間」論序説――西洋中世の愛と人格』(朝日選書)として朝日新聞社から刊行されました。

著者紹介

著: 阿部 謹也(アベ キンヤ)

1935-2006年。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。一橋大学名誉教授。専門は西洋中世史。主な著書に『ハーメルンの笛吹き男』,『中世を旅する人びと』(サントリー学芸賞),『中世の窓から』(大佛次郎賞),『西洋中世の罪と罰』,『「世間」とは何か』,訳書に『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(日本翻訳文化賞)などがある。

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