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チーム・オベリベリ
チームオベリベリ
- 著: 乃南 アサ

約140年前、その女性は、北海道十勝の原野へ渡った
オベリベリ――和人たちによって「帯広」とされた新天地
明治の先進教育を受けた彼女は、いかに生き抜こうとしたのか
開拓に身を投じた実在の若者たちを基にした、著者が初めて挑む長篇リアル・フィクション
〈明治維新という大きな時代の変わり目を体験した上に、それまでとまったく異なる世界に身を投じる若者たちの姿は、今、世界的な新型コロナウイルスの流行により、またもや大きな時代の変わり目を経験しなければならない私たちに何を思わせ、感じさせることだろうか〉――乃南アサ
文明開化の横浜で時代の最先端にいた女性は“その地”でいかに生きたか
私たちの代が、捨て石になるつもりでやっていかなければ
この土地は、私たちを容易に受け入れてはくれない
宣教師たちが開いた横浜の共立女学校に学ぶ鈴木カネは、父や兄にならって聖書の教えを受け、勉学に励んでいた。兄の銃太郎は、神学校で一緒だった渡辺勝、依田勉三と北海道開拓について考え始めている。彼らは勉三を中心に「晩成社」を興し、新天地へ向かう準備を進める。明治15(1882)年、23歳になったカネは女学校を卒業し、渡辺勝と結婚、そしてオベリベリとよばれた帯広へ行くことを決意する。
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書誌情報
紙版
発売日
2020年07月02日
ISBN
9784065201145
判型
四六変型
価格
定価:2,530円(本体2,300円)
ページ数
674ページ
初出
本書は「群像」2018年12月号~2020年6月号まで連載された作品を、一部改稿し、単行本としてまとめたものです。
著者紹介
1960年東京生まれ。'88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。'96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。