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日本神話がわかる 神々のくらし
ニホンシンワガワカルカミガミノクラシ
- 著: 瓜生 中
神話に登場する神々はじつに人間的である。他者と言い争ったり、他者に嫉妬したり、喜びをあらわにしたり、悲しんだり。
『古事記』や『日本書紀』は天皇家の正当性を世間に知らしめるために作られたものだが、神話に出てくるスサノオやオオクニヌシ、ヤマトタケルなどは、われわれ普通の人間と変わらぬ情感を発揮している。
神々は失恋もすれば、他愛もない悪戯もし、失敗して罰を受けたりもする、とても親しみやすい存在である。
そして、これらの神々の行動や習慣、情感は、長い年月の間受け継がれ、現代の日本人の暮らしのなかに根付いている。
人間の本性は、技術がいくら発達してもほとんどかわっていないことを、われわれに教えてくれる。
こうした「神々のくらし」を知ることで、日本神話が、よりわかるようになるだろう。
【もくじ】
主な神々の系図
序章 神話を読むための基礎知識
第一章 現代に続く食文化
一つ釜の飯を食う――イザナキとイザナミのやり取り
家族そろって食事をする――食事の席に着かなかったヤマトタケルの兄
神饌にみる日本の食文化――刺身のツマなどを殊更に高く盛り付ける訳
神代から続く酒造り――ヤマタノオロチ退治のときに造った八塩折の酒
神事として続いてきた米作り――高天原にあった神聖な田んぼと機屋
第二章 神代から続く生活と教え
巨大な柱は「立柱式」のルーツ――イザナギとイザナミが立てた神聖な柱
神々の結婚と恋愛――妻争いと、奔放な性の告白
神にも適材適所がある――転職に失敗した海幸彦と山幸彦
神代の裁判――アマテラスとスサノオの誓約
神々の罪と罰――スサノオの刑罰
神も占いに頼った――政治に使われていた占い
蒲の穂(花粉)は傷に効く――因幡の白兎神話
第三章 神代から変わらない人情と人の心
今も変わらぬ夫婦愛――海の藻屑と消えたオトタチバナヒメ
見るなと言われれば見たくなる――神たちの覗き見
昔も今も変わらない嫉妬心――イワノヒメ、清姫の嫉妬
神代にも身内を庇った――アマテラスとスサノオ
神も子の親――オオクニヌシの意外な現代的父親像
ⒸKodansha
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書誌情報
紙版
発売日
2021年12月23日
ISBN
9784065265215
判型
四六
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
192ページ
シリーズ
The New Fifties
電子版
発売日
2021年12月28日
JDCN
06A0000000000429311I
著者紹介
瓜生 中 1954年、東京生まれ。早稲田大学大学院(東洋哲学専攻)修了。仏教や神道、日本の歴史の研究を行う。執筆活動、講演活動のほか、フェイスブックやブログなどさまざまな媒体を通して日本の歴史や文化について発信している。主な著書に『知っておきたい日本の神話』『知っておきたい日本人のアイデンティティー』『知っておきたい仏像の見方』『よくわかる山岳信仰』(角川ソフィア文庫)、『知識ゼロからの富士山入門』(幻冬舎)など。