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儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間
ジュキョウブッキョウドウキョウヒガシアジアノシソウクウカン
- 著: 菊地 章太

儒教と道教、そして仏教。この三つの異なる宗教は、長い歴史のなかで渾然と併存してきた。
そのような不思議な思想空間は、なぜ、いかにして成り立っているのか。
死生観、自然認識、民間信仰などの視点から、衝突・妥協・調和を繰り返すダイナミズムをとらえる意欲作。
矛盾しながら共存する東アジア的宗教の本質を、シンクレティズム=習合というキー概念から鋭く分析し、
軽妙な筆致でやさしく語る!
◇本書「はじめに」より―
シンクレティズムとは「ごたまぜ」という意味である。儒教と仏教と道教がごたごたまぜ
まぜになっている。純粋ではない。けれどゆたかさがある。そしてこれこそが宗教というも
のの現実の姿ではないか。
◆主な内容
第1章 シンクレティック東アジア―宗教の実像を求めて
第2章 かばいあう親子のどろぼう―情にあふれ馴れあう心性
第3章 翼をなくした天女たち(上)―ユーラシアの西から東へ
第4章 翼をなくした天女たち(下)―孝との調和と相克
第5章 人を呪わば穴ふたつ―心がすさむとき求められるもの
第6章 草も木もみな仏になる―宗教をぬりかえる自然認識
第7章 スモモの下で世直しがはじまる―くりかえされる予言の力
第8章 永遠の休息をあたえたまえ―湿潤温暖地域の死生観
第9章 東アジアの思想空間へ―思想を生みだす時と場所
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書誌情報
紙版
発売日
2022年05月12日
ISBN
9784065281345
判型
A6
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
2717
ページ数
208ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2022年05月11日
JDCN
06A0000000000490164E
初出
本書の原本は、2008年に講談社選書メチエより刊行されました。
著者紹介
1959年,横浜市生まれ。筑波大学大学院博士課程中退後,フランス・トゥールーズ神学大学高等研究院(現,Institut Catholique de Toulouse)留学。現在,東洋大学教授。比較宗教史専攻。博士(文学)。著書に,『道教の世界』『神呪経研究』『東アジアの信仰と造像』『位牌の成立』『弥勒信仰のアジア』『老子神化』,訳書に,シャヴァンヌ『古代中国の社』『泰山』など。