柄谷行人対話篇 3 1989-2008

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電子あり

柄谷行人対話篇 3 1989-2008

カラタニコウジンタイワヘン31989-2008

講談社文芸文庫

1969年に「〈意識〉と〈自然〉――漱石試論」が第12回群像新人文学賞評論部門当選作となり文芸評論家としての執筆活動をスタートして以来、柄谷行人氏はつねに思考を進化させ、また深化させてきた。また、折々の関心にしたがい、様々な相手と刺戟的な対話をおこなってきた。
本書は講談社文芸文庫における決定版対話集の3巻目であり、『探究2』刊行直後の1989年からリーマンショックが世界経済に衝撃を与えた2008年までになされた10篇を収録する。
この時期の柄谷氏は1989年に「季刊思潮」を、また1991年にその後継誌の「批評空間」を創刊して世間の注目を集める一方、「探究3」の連載を中断して執筆を始めた『トランスクリティーク』を2001年に刊行、並行して国家と資本への対抗運動であるNAM(New Associationist Movement)を立ち上げるなど、まさに縦横無尽の活躍だった。
当時文壇と距離をとっているように見られがちだった柄谷氏だが、年長年少を問わず思いの外多くの作家や評論家と対談をしており、そのなかから今なお色褪せない対話を精選して収録する本書は21世紀以降の文学の行方への貴重な道標となるであろう。


Ⓒkojin karatani

目次

覚え書き 柄谷行人

「意識と自然」からの思考(三浦雅士)
坂口安吾と文学のふるさと(島田雅彦)
畏怖あるいは倫理の普遍性(大西巨人)
現代文学をたたかう(高橋源一郎)
中上健次・時代と文学(川村二郎)
友愛論 夏目漱石・中勘助・中上健次(富岡多惠子)
文学の志(後藤明生)
世界資本主義に対抗する思考(山城むつみ)
時代閉塞の突破口(村上龍)
『蟹工船』では文学は復活しない(黒井千次 津島佑子)

書誌情報

紙版

発売日

2023年03月13日

ISBN

9784065305072

判型

A6

価格

定価:2,640円(本体2,400円)

ページ数

416ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2023年03月11日

JDCN

06A0000000000595232M

初出

本書は、『ダイアローグIV』(1991年12月、第三文明社刊)、『ダイアローグV』(1998年7月、第三文明社刊)、「新潮」2000年3月号、『NAM生成』(2001年4月、NAM刊)、「文學界」2008年11月号を底本といたしました。

著者紹介

著: 柄谷 行人(カラタニ コウジン)

柄谷行人(1941・8・6~)批評家。兵庫県生まれ。1965年、東京大学経済学部卒業。67年、同大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。また批評誌「季刊思潮」「批評空間」を創刊。『畏怖する人間』『意味という病』『マルクスその可能性の中心』(亀井勝一郎賞)『隠喩としての建築』『探究』『トランスクリティーク』『世界史の構造』『哲学の起源』『力と交換様式』など著書多数。

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