奇跡

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電子あり

奇跡

キセキ

講談社文庫

あのベストセラー、待望の文庫化!

「不倫」という言葉を寄せつけないほど二人は正しく高潔であった。
これは、本当にあった「奇跡」の愛の物語。

「真実を語ることは、これまでずっと封印してきました――」
男は世界的な写真家。
女は梨園の妻で、母親だった。
「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人。
これはまさしく「奇跡」なのである。
作家の私は、博子から託された"奇跡の物語"を綴ってゆく。
著者の三十八年ぶり書下ろし小説が文庫化。

 〈田原桂一君へ
 君が再婚したことには驚かへんけど、まさか君が梨園の妻の博子さんと「出会ってしまった」という運命的な言葉の背後にしか生きられへんと悟ったことが「奇跡」やったんか。(略)
 君のあの人懐っこい微笑が、まさか死の悲しみを内包しとったんかということは知るよしもなかった。博子さんは君から生の歓びと同時に死の悲しみを贈られて、君は一人旅立った。因果な歌舞伎の前世物語みたいで、不憫でならない。〉
 ――横尾忠則(「朝日新聞」2022年4月9日付)


ⒸMariko Hayashi 2025

書誌情報

紙版

発売日

2025年02月14日

ISBN

9784065379363

判型

A6

価格

定価:715円(本体650円)

ページ数

208ページ

シリーズ

講談社文庫

電子版

発売日

2025年02月14日

JDCN

06A0000000000873342R

初出

本書は2022年2月に小社より刊行された単行本を文庫化したものです。

著者紹介

著: 林 真理子(ハヤシ マリコ)

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒業。'82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が大ベストセラーに。'86年『最終便に間に合えば/京都まで』で第94回直木賞を受賞。'95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞、'98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で第20回島清恋愛文学賞、'20年第68回菊池寛賞、'22年第4回野間出版文化賞を受賞。'18年には紫綬褒章を受章した。小説のみならず、「週刊文春」や「an・an」の長期連載エッセイでも変わらぬ人気を誇っている。

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