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持続不可能な財政 再建のための選択肢
ジゾクフカノウナザイセイサイケンノタメノセンタクシ

世界最悪の借金大国
この国はもうダメなのか?
私たちが迫られる「究極の選択」
現役世代へのツケ回しはもう限界。「破綻」を避けるために何ができるのか
そろそろ本当の話をしよう
我が国の財政運営は、このままではこの先、何かのきっかけで、いつ何どき、行き詰まってもおかしくない状態にすでに陥っています。まさに「持続不可能」なのです。しかも、「これまでに国として積み上げてきてしまった借金、国債残高の大きさ」と、「厳しい人口減少傾向に象徴されるように国力が、疑いようのないほどに低下傾向をたどっていること」を合わせれば、ついに「行き詰まった」ときに起こる事態は、我が国自身が第二次世界大戦の敗戦直後に経験した苛烈な国内債務調整に匹敵するものにならざるを得ないことは容易に想像がつきます。
では、どうすればよいのでしょうか。どうすれば、私たちのこの国の財政運営を立て直せるのでしょうか。私たちの後に続く世代のことを考えれば、「どうせ無理だから」などと投げ出すことは決して許されません。本書を手に取ってくださったお一人おひとりに、ぜひともご一緒に考えていただきたいと思います。
本書の内容
まえがき
第1部 「財政再建から逃げ続ける国」の行き着く先
第2部 シミュレーション日本の財政はどうなるか
第3部 聖域なき歳出削減何をどう減らすのか
第4部 公平・公正な税制と納得できる税負担を考える
第5部財政再建アラカルトあなたは何を選びますか?
あとがき
Ⓒ河村小百合/藤井亮二
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目次
まえがき
第1部「財政再建から逃げ続ける国」の行き着く先
1 -1 「財政事情は世界最悪」の国が財政破綻せずにこられた理由
「何も起こらない」のは利払費が増えずに済んだから/放漫財政を助長した日銀の国債買い占め
1 -2 日銀を待ち受ける債務超過の危機
1 -3 このまま逃げ続けた果てに待ち受ける事態
Box1 利上げで日銀はなぜ赤字や債務超過に転落するのか
Box2 国家の「デフォルト」(債務不履行)とはどういう事態か? どういう結末に至るのか?
第2部シミュレーション日本の財政はどうなるか
2 -1 内閣府のバラ色の「経済・財政試算」のカラクリ
「財政再建努力など不要。財政は自然に改善する」という内閣府の「超」楽観的な見通し/内閣府とは対照的なOECDのシビアな予測/内閣府の"不自然"かつ"恣意的"な前提条件とは
2 -2 今後の鍵を握る利払費―問題は新規国債・借換債の発行金利と条件
「国債の平均残存期間は約9年だから当面利払費は増えない」は誤り/内閣府と財務省の利払費の見通しには5~8兆円もの差が
2 -3 金利シナリオ・国債の調達パターンごとの利払費を独自試算
4通りの金利シナリオ-「市場主義経済体制下」を死守/国債発行年限の配分は3パターン/短期国債中心でも節約できる利払費は限定的/国債発行年限の短期化で膨張する財政破綻時の資金ショート額
2 -4 高成長による税収増で財政再建できない理由
独自試算でわかった「税収増でも財政再建は無理!」/「インフレで財政破綻は回避できる」という甘言に騙されない
2 -5財政収支均衡を達成できた場合に利払費はどれほど節約できるか
「財政収支均衡」とは「収入の範囲で生活する」こと
Box3財務省公表の利払費の仮定計算の分解の推計の手法と考え方
Box4 新規国債発行ゼロとした場合の利払費と国債発行額の試算結果
第3部聖域なき歳出削減何をどう減らすのか
3 -1 医療・介護・少子化対策
3 -1 -1 聖域にはできなくなった社会保障制度
3 -1 -2 増加の一途をたどる医療費
3 -1 -3 もはや現役世代の仕送りは限界
3 -1 -4 もし公費が3割カットされたら医療・介護はどうなる?
3 -1 -5 医療保険を持続可能にするには
3 -1 -6 2040年に約1000万人が要介護状態に
3 -1 -7 2040年に介護保険料と自己負担はどれだけ増えるのか
3 -1 -8 欺瞞の少子化対策
3 -2 年金
3 -2 -1 日本の年金は本当に「100年安心」といえるのか
3 -2 -2 国庫負担が3割削減されたら、年金はどれだけ減るのか?
3 -2 -3 第3号被保険者制度をまだ続けますか?
3 -3 地方財政
3 -3 -1 改革を避けては通れない地方財政制度
3 -3 -2 地方交付税制度のからくり
以下略
書誌情報
紙版
発売日
2025年01月23日
ISBN
9784065384688
判型
新書
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
2762
ページ数
288ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2025年01月22日
JDCN
06A0000000000865568L
著者紹介
河村小百合(かわむら・さゆり) 株式会社日本総合研究所調査部主席研究員。一九八八年京都大学法学部卒業、日本銀行入行。一九九一年株式会社日本総合研究所入社。二〇一九年より現職。財務省財政制度等審議会財政制度分科会委員(現職)、国税庁国税審議会委員、厚生労働省社会保障審議会委員、内閣官房行政改革推進会議民間議員等を歴任。『日本銀行 我が国に迫る危機』(講談社現代新書)で第四五回石橋湛山賞を受賞。
著・その他: 藤井 亮二(フジイ リョウジ)
藤井亮二(ふじい・りょうじ) 白鴎大学法学部教授。一九八五年慶応義塾大学法学部卒業、参議院事務局入局。予算委員会調査室首席調査員、企画調整室次長を経て、二〇一八年参議院予算委員会専門員(調査室長)。二〇二二年より現職。栃木地方最低賃金審議会委員、参議院予算委員会調査室客員調査員、会計検査院特別調査職等を歴任。
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お詫び
『持続不可能な財政』についてのお詫び
本書に以下の誤りがあることが判明いたしました。
読者の皆様に訂正してお詫び申しあげます。
p63
図表2-8に以下の注を追記します
(注)内閣府は2024年7月公表分の『中長期の経済・財政に関する試算』では、「高成長実現ケース」の利払費の試算結果は公表していないため、本図では「高成長実現ケース」の利払費は、2024年1月に内閣府が公表した試算値を示している。
p.233
× 実効税率は各階級で約5%上昇するので、給与所得税額12兆円の場合、0.6兆円の増収が見込まれます
○ 実効税率は各階級で約5%上昇するので、給与所得税額12兆円の場合、4.5兆円の増収が見込まれます
p.262~p263
「図表5−2 財政再建アラカルト【歳入】」の表にある
・税率の累進度合いを強化(累進税率を各5%引き上げ)による「財政収支の改善幅の目安
× +0.5兆円(給与所得税額12兆円の場合)
○ +4.5兆円(給与所得税額12兆円の場合)
p.266 「図表5−2 財政再建アラカルト」タイトルの下にある記述
×【参考:上記以外の一般会計歳出の主なもの】
○【参考:前頁以外の一般会計歳出の主なもの】