花咲く街の少女たち
ハナサクマチノショウジョタチ
- 著: 青波 杏

十七歳の翠は浅草生まれ。私娼窟の玉の井で育ち、流れ流れて京城(現在のソウル)に来た。養父の口利きで、国語教師の家に世話になりながら女学校に通うのだ。下宿先には同い年の朝鮮人のお手伝い、ハナがいた。翠がなかなか彼女と距離が縮められずにいたところに、ハナの弟が行方不明になるというできごとが起こる。その日のうちに弟は無事に見つかるが、そんなことから翠とハナの間の日本人/朝鮮人の垣根が開いていく。そして翠には京城を訪れるひそかな理由があった。
ⒸAn Aonami 2025
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書誌情報
紙版
発売日
2025年08月06日
ISBN
9784065395219
判型
四六変型
価格
定価:2,200円(本体2,000円)
ページ数
320ページ
著者紹介
(あおなみ・あん)1976年東京都国立市出身。近代の遊廓の女性たちによる労働問題を専門とする女性史研究家。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。2022年、『楊花の歌』(「亜熱帯はたそがれて――廈門、コロニアル幻夢譚」を改題)で第35回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書には他に『日月潭の朱い花』などがある。