
生命の起源を問う 地球生命の始まり
セイメイノキゲンヲトウ チキュウセイメイノハジマリ
- 著: 関根 康人

地 本書は、科学に興味をもつ者にとって、永遠の問いの一つである、「生命とは何か」「生命の起源はどこにあるのか」の本質に迫る企画である。著者は、東京科学大学の教授であり、地球生命研究所の所長である、関根康人氏。土星の衛星タイタンの大気の起源、エンセラダスの地下海に生命が存在しうる環境があることを明らかにするなど、アストロバイオロジーの世界的な第一人者である。
46億年前の地球で何が起きたのか? 生命の本質的な定義とは何か? 生命が誕生する二つの可能性などを検証していきながら、著者の考える、生命誕生のシナリオを一つの「解」として提示する。
我々とは何か、生命とは何か、を考えさせられる一冊。
主な内容
◆世界最古の生命化石
◆生命の定義と細胞の基本図
◆生命を育む惑星の循環
◆スノーボールアース
◆大量絶滅
◆ミラーの実験 生命の起源をさぐる
◆原始の地球はどのような環境だったのか
◆オパーリンの化学進化説
◆月の探査が原始の地球を教えてくれる
◆ジャイアント・インパクトの二つの可能性
◆原始の生命とはどのようなものか
◆共通祖先LUCA
◆LUCA以前の原始生命たち
◆RNAワールド
◆さまざまな条件が交わる場所で生命は生まれた
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書誌情報
紙版
発売日
2025年07月17日
ISBN
9784065404317
判型
新書
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
2302
ページ数
272ページ
シリーズ
ブルーバックス
著者紹介
東京都浅草、1978年生まれ。東京大学理学部卒(2001年)、東京大学大学院博士課程修了(2006年)。東京大学特任助手(2006年)、同助教(2007年)、同講師(2011年)、同准教授(2014年)、東京工業大学教授(2018年)、東京科学大学教授(2024年~現在)。惑星科学を専門とし、地球や火星、木星・土星の氷衛星などの形成・進化に関する研究を行っている。特に、これら天体の大気や海洋の起源・進化、さらには生命生存可能性について興味を持っている。2015年には、NASAカッシーニ探査チームと共同で、土星衛星エンセラダスの地下海に生命を育みうる熱水環境が現存していることを見つけた。地球以外での生命生存可能環境の初めての発見であり、分野を超えたインパクトを与えた。井上学術賞(2023年)、日本学術振興会賞(2022年)、文部科学大臣表彰若手研究者賞(2016年)などを受賞。著書に「土星の衛星タイタンに生命体がいる!地球外生命を探す最前線」(小学館新書)がある。