
マイページに作品情報をお届け!
ケガレ
ケガレ
- 著: 波平 恵美子

民間信仰において、ケガレを祓う儀礼は頻繁に多様な形で行われていた。人間の不幸は、ケガレ=不浄に原因があると考えられ、生活の隅々にまでその指標が浸透していたのである。死=黒不浄、出産・月経=赤不浄、罪や病、境界・峠という空間等、様々な民俗事例にあらわれたケガレ観念の諸相を丹念に追い、信仰行為の背後にあるものを明らかにする。(講談社学術文庫)
本人の民間信仰に深く浸透していた「不浄」の観念とは?
民間信仰において、ケガレを祓う儀礼は頻繁に多様な形で行われていた。人間の不幸は、ケガレ=不浄に原因があると考えられ、生活の隅々にまでその指標が浸透していたのである。死=黒不浄、出産・月経=赤不浄、罪や病、境界・峠という空間等、様々な民俗事例にあらわれたケガレ観念の諸相を丹念に追い、信仰行為の背後にあるものを明らかにする。
文化人類学では、人間の文化は自分たちを取り巻く世界を構造化するものであるとする。その構造は、その文化を担う人々によって明示されている。それとは気づかぬまま、人々はその構造に従って認識し行動する。優劣を付けたり、差異化さらには差別したり、グループ分けしたり、強い関係、弱い関係を結んだり、関係を結ぶことを拒否したりする。少くとも、1980年代までの日本文化では、世界を構造化する大黒柱にケガレという指標を用いていたといえる。ケガレは差異化のもっともわかりやすい、そして、時には感情に訴え、身体反応までも引き起す強い指標であった。――<「学術文庫版まえがき」より>
※本書の原本は、1985年、東京堂出版より刊行されました。
Ⓒ
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
第1章 「ケガレ」観念をめぐる論議とその重要性
第2章 民間信仰におけるケガレ観念の諸相――黒不浄・赤不浄・その他
第3章 空間と時間とにおけるハレ・ケ・ケガレの観念
第4章 「災因論」としてのケガレ観念と儀礼
書誌情報
紙版
発売日
2009年07月10日
ISBN
9784062919579
判型
A6
価格
定価:1,298円(本体1,180円)
通巻番号
1957
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2015年04月24日
JDCN
0629195700100011000G
初出
原本は1985年、東京堂出版より刊行。
著者紹介
オンライン書店一覧
関連シリーズ
-
構造の奥 レヴィ=ストロース論
-
はじめての人類学
-
旋回する人類学
-
幻想としての文明
-
今日のミトロジー
-
40歳からは自由に生きる
-
快楽としての動物保護 『シートン動物記』から『ザ・コーヴ』へ
-
レヴィ=ストロース 構造
-
レイシズム
-
サピエンス日本上陸 3万年前の大航海
-
ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ
-
母系制の研究
-
機械カニバリズム
-
カミの人類学 不思議の場所をめぐって
-
はだかの起原
-
我々はなぜ我々だけなのか
-
つい誰かに教えたくなる人類学63の大疑問
-
野生の科学
-
文化の型
-
悲しき南回帰線
-
洞窟のなかの心
-
西太平洋の遠洋航海者
-
人類史のなかの定住革命
-
純粋な自然の贈与
-
狩猟と編み籠 対称性人類学2
-
経済人類学
-
儀礼としての消費 財と消費の経済人類学
-
観光人類学の挑戦 「新しい地球」の生き方
-
マイケル・ポランニー 「暗黙知」と自由の哲学
-
パロール・ドネ
-
シヴァとディオニュソス 自然とエロスの宗教
-
〈癒し〉のダンス 「変容した意識」のフィールドワーク