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金魚と日本人
キンギョトニホンジン
- 著: 鈴木 克美

1502年(文亀2年)、室町時代中期に中国から初上陸。元禄江戸で大ブームを起こして以来、金魚は日本人に愛され続けてきました。
しかし、いったいなぜ、欧米ではさほど流行らなかった金魚が、本家・中国をしのぐ勢いで、日本では深く広く浸透したのでしょうか。そもそも日本の金魚のルーツはどこにあるのか。当時の日本社会は、金魚をどう受け止めたのか・・・・・・。
金魚の飼い方や品種の解説ではなく、金魚と日本人の500年の歴史を、豊富な史料から検証。日本人の自然観や社会観を、金魚を通して考察します。
本書の原本は、一九九七年に三一書房より刊行されました。
ⒸKatsumi Suzuki
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目次
プロローグ 日本の金魚と日本人
第一章 金魚のルーツを訪ねて
1 北陸の峠に鉄魚がいた
2 岡本養魚場のヒブナ
3 金魚はもともと何だったのか
4 「フナ」は今では仮の名前
5 金魚のルーツはどこに
第二章 金魚の誕生と日本渡来
1 生まれ故郷は杭州?
2 中国金魚の大発展
3 戦国時代に金魚の渡来
4 舶来の「こがねうを」
第三章 江戸の町を金魚が行く
1 金魚の光しんちう屋
2 江戸時代を生きた金魚
「和金(わきん)」/「らんちう(卵虫、蘭鋳、金鋳)」/「りうきん(琉金)」/「をらんだししがしら(和蘭獅子頭)」/「ぢきん(地金)」/「つがるにしき(津軽錦)」/「とさきん(土佐金)」/「はなふさ(花房)」/「わとうない(和唐内)」
3 市民権を得た金魚
第四章 駆け足で通る江戸の町と江戸時代
1 江戸の暮らし三百年
2 江戸の町は物売りの町
3 店借りの町の活力
4 過密文化の表裏
第五章 江戸時代の金魚ブーム
1 江戸で金魚がなぜもてた
2 びいどろの金魚玉
3 園芸時代の江戸と金魚
4 江戸の町の金魚売り
5 江戸の金魚の元店はどこに
6 柳沢吉保と金魚の名産地
第六章 日本人と金魚
1 出目金が遅れてきたわけ
2 金魚と変化朝顔
3 金魚の色はこがね色
4 魔除けに使われた金魚の玩具
5 金魚と花鳥風月
エピローグ 金魚を日本の水族館に
学術文庫版あとがき
書誌情報
紙版
発売日
2019年08月10日
ISBN
9784065168820
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
2576
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2019年08月09日
JDCN
06A0000000000133647A
初出
本書の原本は、『金魚と日本人 江戸の金魚ブームを探る』として1997年に三一書房より刊行されました。
著者紹介
鈴木克美(すずき・かつみ) 1934年静岡県生まれ。東京水産大学卒業後、江ノ島水族館、金沢水族館を経て、東海大学教授、東海大学海洋科学博物館館長。魚類生活史学専攻。農学博士。現在、東海大学名誉教授。著書に『水族館』(法政大学出版)、『水族館日記』(東海大学出版部)、共著に『アンコウの顔はなぜデカい』(山と渓谷社)、『新版 水族館学』『日本の海洋生物』(東海大学出版部)など。