デカルト=哲学のすすめ

デカルト=哲学のすすめ

デカルトテツガクノススメ

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カントやヘーゲルが哲学を完成したのではない。近代哲学とはデカルトの到達した高みかすべり落ちる歴史だった。戦争、宗教、あるいは病いなど今日的課題に答えうる「哲学の王道」を読み直す。 思想を捨てる――私はさしたる困難もなく生き残ってきた。私は今もさしたる苦痛なしに生きている。ところが、悲惨な状態で生き残ってきた人がいる。こちらは恵まれた生活を送っているのに、ぎりぎりの生存をつづけている人がいる。この事態について真摯に考えようとすると、悲惨な生者に対してどのような態度をとればよいのかという疑問がわきあがってくる。とはいえ私は老いてゆくし、いずれ死んでゆく。人間の死が必ず非業の死であるなら、私もいずれ悲惨な状態で死にゆくことになる。この事態について思うとき、死にゆく者として生きている私を、晴朗に肯定する手だてはないのかという疑問がわいてくる。こんな疑問をたずさえて、デカルトを読んでいこうと思う。――本書より

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バタイユ
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バタイユ

発売日:2006年05月12日

消尽、非知、内的体験 過剰な出来事に貫かれる人間の原初のありようとは? 独特な思想家バタイユ。「消尽」「純粋な贈与」「エロティシズム的欲望」「至高な価値」――彼が提示する概念はすべて彼自身によって深く生きられたことである。パリ国立図書館に勤務、ニーチェ、ヘーゲルなどを学び、非知という考え、共同性の思想へと練られてゆく道筋はどのようなものなのか。表象による認識の限界を越えようとする思考の運動に迫る。

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