
荻生徂徠「政談」
オギュウソライセイダン
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悪魔の統治術か。近代的思惟の先駆けか。 江戸の<病理>に立ち向かった、日本近世思想史の巨人による政策提言集。 開闢以来第一の人物と同時代人にも称賛された日本近世思想史の巨人、徂徠。 将軍吉宗の下問に応えて彼が献上した極秘の政策提言書には悪魔的な統治術の数々がしたためられていた。 反自由・反平等・反啓蒙の立場の表れか。 近代的思惟の先駆けか。 それは江戸の現実と病理に立ち向かった実践的思索の集積であった。 いまも論争を呼ぶ経世の書を平明な現代語で読む。 <「政談」巻末より> 「機事、密ならざれば、則ち害生ず」(『易経』繋辞上伝)ということがあって、幕府の政治上の機密は明白に人に語るべきものではないから、この物語は弟子にも書かせず、私自身の老眼と悪筆で認(したた)めたことである。将軍様の上覧に入れたのちは、焼却していただきたい。 物部茂卿 敬 識(もののべのもけい つつしんで しるす) ※本書の原本は、1974年に『日本の名著 16 荻生徂徠』として中央公論社より刊行されました。 文庫化にあたっては、中公バックス版の同名書(1983年刊)を底本としました。
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政談
発売日:2018年04月11日
「忠臣蔵」の赤穂浪士の処遇に困った幕府が頼った知恵袋・荻生徂徠の言葉を集めた『政談』。その内容は悪魔的な統治術であり、その存在は門外不出とされ、幕府倒壊後の1868年に出版されるまで世に明らかにされることはなかったのです。その教えが2055年によみがえる。人口減、産業の衰退などにより危機に直面した日本が取った選択は、完全無欠のコンピューターによって政策を決めることだった。「同業者は同じ場所にすむこと」「無職の禁止」。びっくりの施策の数々に翻弄されるロックミュージシャンの恋の行方は? 自由に生きるか。そこそこで満足するか。人間存在の根幹に迫る近未来SF儒学! 目次 一。国を治める方法の根本 二。取り締まりの事 三。譜代者のこと 四。せわしい風習を改める 五。荻生徂徠 六。武家の旅宿を改める 七。「主」と「客」を正す 八。才徳を見分けること 九。人材登用のこと 十。あなたはSORAIを信じますか 人口減、産業の衰退などにより危機に直面した日本が取った選択は、完全無欠のコンピューターによって政策を決めることだった。「同業者は同じ場所にすむこと」「無職の禁止」。びっくりの施策の数々に翻弄されるロックミュージシャンの恋の行方は? 自由に生きるか。そこそこで満足するか。人間存在の根幹に迫る近未来SF儒学!