
日本霊異記
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日本霊異記は、日本最古の説話集。奈良末~平安初期に成立した。巻頭の第1話は、雄略天皇時代(5世紀)の奇談。以後約4世紀にわたる説話120篇ほど。記紀・万葉集だけを上代人の全容と信じていた者は、上代の半面を霊異記に見て驚愕する。霊異記の作者は、奈良西京の薬師寺景戒(きょうかい)。彼は悪行は必ず悪結果で報いられる、善行は好結果を生むと熱心に信じ、彼と同時代の説話、及び上代以来の説話に、その理法を見出そうとした。
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最新刊情報
日本霊異記(下) 全訳注
発売日:1980年04月07日
日本霊異記(下)は、中巻の時代の後を受け、奈良時代末期稱徳天皇(764)から平安時代初頭嵯峨天皇(822)にわたる説話を載せる。全39話。凄惨激烈な血族間の政権争奪と権力闘争―その結果として、平城京から長岡京遷都、さらに平安京への再遷―の難世相が説話の隙ににじみ出ている。編者景戒という一人格の、艱難に苦吟した人生の告白が、烈々の句となり、深沈たる文章となって読者を魅きつけるのも(第38話)巻下の特色といえる。