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反文学論
ハンブンガクロン
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柄谷行人の唯一の文芸時評集『反文学論』は、氏の70年代後半の独創的かつ先駆的仕事である。この『反文学論』の真の固有性、掛け替えのない特異な性格とは、いったい何なのだろうか。ほどなく〈探究〉の批評家として、文字どおり余人の追随を許さぬ領野を切り拓くことになる希有な人物が、言わばその前夜の姿態を垣間見せてくれる〈感想〉の数々こそそれだ、と思われてならない。(「解説」より)
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最新刊情報
反文学論
発売日:2012年05月11日
抜群におもしろい文芸時評の白眉ーー1977年から78年にわたり、初期代表作となる『マルクスその可能性の中心』、『日本近代文学の起源』と並行して書かれた、著者唯一の文芸時評集。100人近い現役作家を俎上に載せた短い<時評>と<感想>に、この類稀な批評家のエッセンスが凝縮し、横溢する。転換期に立つ「近代文学」の終焉を明瞭化した記念碑にして、これから文学にかかわる者の、必読の書。 ◎「……この『反文学論』は、著者の批評活動すべてが圧縮されたものだと言える。読者は、本書に対して、まるで「柄谷行人」という映画の予告編をみているような印象をもつであろう。そのことを可能としているのは、ひとえに本書が「文芸時評」という制約を受けていることによるのだ。」<池田雄一「解説」より> ※本書は、1991年11月『反文学論』(講談社学術文庫)を底本としました。