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命みょうが
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のっぴきならない事件はいつも、半次のもとへ持ち込まれる 番屋に連れ込まれ、10日間だんまりを続ける田舎侍。 浅葱裏だが顔は公家風。ずぼらに見えてめっぽう腕は立つ。 この侍、何者なのか。 半次が縄張りにしている堀江町、小舟町、小網町、魚河岸の一部は大店あり小店ありで、それらの店はしょっちゅう引合をつけられていた。引合を抜いてもらうには一分、とだいたい相場が決まっている。毎日1つずつこなして月に七両と二分。それくらいなければ遣り繰りは難しい。半次はほぼ午前中一杯、引合茶屋や寄合茶屋に顔をだし、引合をつけられた大店、小店の主人にかわって引合を抜く交渉をした。