〈私〉の存在の比類なさ

〈私〉の存在の比類なさ

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<私>とは何か。「他者の問題」とは何か。 哲学の根本問題を考え続ける著者会心の論考! 解説・茂木健一郎 永井均は今と同じあり方で存在しながら、彼が私でなくなることは想像できる。このとき、彼には何の異変も起きていない。しかしもはや彼は私ではない。この私を<私>と表記しよう。<私>から展開される永井哲学は、他者や倫理など根源的な問題を刺戟し続けてやまない。著者自身、「本書こそが独在論の入門書として最もふさわしい」と断ずる必読の哲学書。 ここで何よりも重要なことは、エリザベス2世や永井均やアインシュタインには、並び立つ同種の者(仲間)が、すなわち隣人が存在するが、<私>にはそれが存在しない、ということである。私は、ウィトゲンシュタインがある講義ノートで用いた表現を借りて、<私>とは「最も重要な意味において隣人を持たない」ものである、と規定したい。そして私は、他者の問題とは、最も根本的には、この本質上隣人を持たないものの(本質上隣人を持たないというそのことを含めた)隣人を捜すことである、と考えているのである。――<本書より> ※本書の原本は、1998年、勁草書房より刊行されました。

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〈私〉の存在の比類なさ
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〈私〉の存在の比類なさ

発売日:2010年07月14日

<私>とは何か。「他者の問題」とは何か。 哲学の根本問題を考え続ける著者会心の論考! 解説・茂木健一郎 永井均は今と同じあり方で存在しながら、彼が私でなくなることは想像できる。このとき、彼には何の異変も起きていない。しかしもはや彼は私ではない。この私を<私>と表記しよう。<私>から展開される永井哲学は、他者や倫理など根源的な問題を刺戟し続けてやまない。著者自身、「本書こそが独在論の入門書として最もふさわしい」と断ずる必読の哲学書。 ここで何よりも重要なことは、エリザベス2世や永井均やアインシュタインには、並び立つ同種の者(仲間)が、すなわち隣人が存在するが、<私>にはそれが存在しない、ということである。私は、ウィトゲンシュタインがある講義ノートで用いた表現を借りて、<私>とは「最も重要な意味において隣人を持たない」ものである、と規定したい。そして私は、他者の問題とは、最も根本的には、この本質上隣人を持たないものの(本質上隣人を持たないというそのことを含めた)隣人を捜すことである、と考えているのである。――<本書より> ※本書の原本は、1998年、勁草書房より刊行されました。

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