かげろうの日記遺文

かげろうの日記遺文

カゲロウノニッキイブン

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原点『蜻蛉日記』の中に僅か数十行しか記述はされていない町の小路の女〈冴野〉は、学問も名もない下賤の女ながら己れのすべてを男に与えて消え失せた、妖しい女であった。室生犀星は『日記』の書き手紫苑の上以上にこの女を愛し、犀星自身の消息を知らぬ生母ハルの身の上に重ねて物語り、限りない女性思慕の小説とした。川端康成をして、当時、“言語表現の妖魔”と迄言わしめた野間文芸賞受賞の名篇。

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かげろうの日記遺文
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かげろうの日記遺文

発売日:2012年07月11日

生母への想いを『蜻蛉日記』の書き手・紫苑の上や下賤の女・冴野に投影。「言語表現の妖魔」といわれた犀星の女性への思慕を描いた名篇。 生母への想いを『蜻蛉日記』の書き手・紫苑の上や下賤の女・冴野に投影。 「言語表現の妖魔」といわれた犀星の女性への思慕を描いた名篇。 ※本書は『日本現代文学全集61 室生犀星集』(増補改訂版 1980年5月 講談社刊)を底本としました。

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