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やがて哀しき外国語
ヤガテカナシキガイコクゴ
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村上春樹の魅力の世界 プリンストン通信久々の長篇エッセイ アメリカより愛をこめて 僕はもうとてもとても「男の子」と呼ばれるような年齢ではないけれど、それでも「男の子」という言葉には、いまだに不思議に心引かれるものがある。……(中略)……「お前にとって〈男の子〉のイメージとは具体的にどういうものであるか」という風に質問していただけるなら、僕の回答は簡潔かつ明瞭なものになる。箇条書きにすると、(1)運動靴を履いて(2)月に1度(美容室でなく)床屋に行って(3)いちいち言い訳をしない。これが僕にとっての〈男の子〉のイメージである。簡単でしょう。──(本文より)
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最新刊情報
やがて哀しき外国語
発売日:1997年02月14日
F・スコット・フィッツジェラルドの母校プリンストン大学に招かれ、アメリカでの暮らしが始まった。独自の大学村スノビズム、スティーブン・キング的アメリカ郊外事情、本場でジャズについて思うこと、フェミニズムをめぐる考察、海外で悩み苦しむ床屋問題――。『国境の南、太陽の西』と『ねじまき鳥クロニクル』を執筆した二年あまりをつづった、十六通のプリンストン便り。 初めてプリンストンを訪れたのは1984年の夏だった。F・スコット・フィッツジェラルドの母校を見ておきたかったからだが、その7年後、今度は大学に滞在することになった。2編の長編小説を書きあげることになったアメリカでの生活を、2年にわたり日本の読者に送り続けた16通のプリンストン便り。