順番が来るまで

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ジュンバンガクルマデ

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文士が生きた昭和の風景! 「年のせいか、ふしぎとほんとうのものが見えるようになった」 昭和文壇を生き抜いた老文士。珠玉のメモワール集! 「世上のくるしみをくるしみとすべからず」――貧窮の底で筆一本に己を託した樋口一葉。その存在を光とし、長い不遇に堪えた最晩年『接木の台』『暗い流れ』を著し文学史にその名を刻んだ和田芳恵最後の随筆集。生家が破産、石もて追われた故郷北海道の思い出、編集者として接した林芙美子ら作家の愛憎交々の回想、死の“順番”を待つ老年の心境を明澄に描く表題作五二篇。削りに徹した滋味深い文章は正に職人芸! 大村彦次郎 この歳月の前後、日本の文士社会は衰滅した。よくもわるくも文壇を代表するような、個性的なキャラクターの持主が相次いで姿を消していった。(略)時代が変ったのである。それまで文士の生きかたを支えてきた社会的基盤が崩れ去った。和田さんはその最期に立ち会うかのように、文壇を船にたとえれば、その船の<底荷>のような役割を果たして、消えていったような思いがする。――<「解説」より> ※本書は、北洋社刊『順番が来るまで』(昭和53年1月)を底本としました。

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順番が来るまで
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順番が来るまで

発売日:2011年08月12日

文士が生きた昭和の風景! 「年のせいか、ふしぎとほんとうのものが見えるようになった」 昭和文壇を生き抜いた老文士。珠玉のメモワール集! 「世上のくるしみをくるしみとすべからず」――貧窮の底で筆一本に己を託した樋口一葉。その存在を光とし、長い不遇に堪えた最晩年『接木の台』『暗い流れ』を著し文学史にその名を刻んだ和田芳恵最後の随筆集。生家が破産、石もて追われた故郷北海道の思い出、編集者として接した林芙美子ら作家の愛憎交々の回想、死の“順番”を待つ老年の心境を明澄に描く表題作五二篇。削りに徹した滋味深い文章は正に職人芸! 大村彦次郎 この歳月の前後、日本の文士社会は衰滅した。よくもわるくも文壇を代表するような、個性的なキャラクターの持主が相次いで姿を消していった。(略)時代が変ったのである。それまで文士の生きかたを支えてきた社会的基盤が崩れ去った。和田さんはその最期に立ち会うかのように、文壇を船にたとえれば、その船の<底荷>のような役割を果たして、消えていったような思いがする。――<「解説」より> ※本書は、北洋社刊『順番が来るまで』(昭和53年1月)を底本としました。

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