傷ある翼

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キズアルツバサ

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“生きて、飛ぶことを願った”ひとりの女の物語。 戦争にのめり込んでゆく時代を舞台に、一子の母となった主人公・宗像滋子の打算的な結婚生活の不幸――粗野な夫への憎悪と軽蔑、先輩作家との逢瀬を続けながらも、離婚にも踏み切れない理性と情念の相剋を描く。夫婦とは、家庭とは、愛とは、性とは何かを追求し、「傷のある翼をもった鳥のように生きて、飛ぶことを願った」円地文学の内奥に迫る力作。谷崎賞受賞作『朱を奪うもの』三部作の第二部。 岩橋邦枝 この豊潤な小説は、夫婦の相剋が日常化した結婚生活にしても、滋子のかかえる鬱屈にしても、私小説的リアリズムで書けば陰々滅々としたものになるだろう。作者は、私小説の主人公中心の書き方もしていない。滋子が宗像へあびせる苛烈で意地悪な目は、彼女にも向けられる。彼女のみじんも甘えのない自己批評、自己認識は、一人の知的な女性の内面をえぐって読者を納得させる。――<「解説より」>

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傷ある翼
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傷ある翼

発売日:2011年04月10日

“生きて、飛ぶことを願った”ひとりの女の物語。 戦争にのめり込んでゆく時代を舞台に、一子の母となった主人公・宗像滋子の打算的な結婚生活の不幸――粗野な夫への憎悪と軽蔑、先輩作家との逢瀬を続けながらも、離婚にも踏み切れない理性と情念の相剋を描く。夫婦とは、家庭とは、愛とは、性とは何かを追求し、「傷のある翼をもった鳥のように生きて、飛ぶことを願った」円地文学の内奥に迫る力作。谷崎賞受賞作『朱を奪うもの』三部作の第二部。 岩橋邦枝 この豊潤な小説は、夫婦の相剋が日常化した結婚生活にしても、滋子のかかえる鬱屈にしても、私小説的リアリズムで書けば陰々滅々としたものになるだろう。作者は、私小説の主人公中心の書き方もしていない。滋子が宗像へあびせる苛烈で意地悪な目は、彼女にも向けられる。彼女のみじんも甘えのない自己批評、自己認識は、一人の知的な女性の内面をえぐって読者を納得させる。――<「解説より」>

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