新しい人よ眼ざめよ
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新しい人よ眼ざめよ

アタラシイヒトヨメザメヨ

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ノーベル文学賞受賞 大江健三郎の連作短篇集 脳に障害を持って生まれた息子が、音楽に眼ざめてゆく過程を描く、感動の連作集。 優しい魂に大きな感動 大江健三郎氏の『新しい人よ眼ざめよ』は障害児と共に生きる魂の小説である。この何年か、私はこれほど大きい感動をもって読んだ小説もないし、これほど冷静な気持ちで読み続け、読み終わった小説もない。また読み終わったあと長い間、思いを作者からはなすことのできなかった小説もない。この連作は多くの人に読んでもらいたいと思う。そして誠実な魂のこの上なく優しく、強く、美しい旋律に触れて頂きたいと思う。──井上靖(大佛次郎賞選評より)

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新しい人よ眼ざめよ
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新しい人よ眼ざめよ

発売日:2007年03月06日

神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。 <いま現在の僕とイーヨーの共生の意味があかるみに浮かびあがる。> 神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。 リービ英雄 『新しい人よ眼ざめよ』は、innocence(無垢)の危機から始まる、ともいえる。(中略)ブレイクのinnocenceとexperience(経験)の歌が、おり交ぜている、という以上に、語りの言葉の一すじとなる、fatherとsonの詩が、「父親」たる語り手によって読まれている、だけでなく、読まれていること自体が物語の一主題となってゆく。このような「引用」のめざましい活かし方を一言で描ける文芸用語を、ぼくは知らない。――<「解説」より>

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