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人間は考えるFになる
ニンゲンハカンガエルエフニナルF
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哲学・超文系 建築・超理系 絶妙「文理」対談 ここでしか読めない書き下ろし短編小説! ●土屋賢二の小説処女作 「消えたボールペンの謎」 ●森博嗣の異色短編 「そこに論点があるか、あるいは何もないか」 土屋…僕は「何で哲学やるの?」っていつも不思議がられてるんです。「何で万引きした」というのと同じ口調で(笑)。 森……でも、哲学は、「コンクリートやってます」よりはカッコイイですよ。 土屋…えーっ、そうですか? 森……「大学で哲学やってます」ってカッコイイですよ、コンクリートって言ったら、「練ってるの?」って思われますよ。「もういっぱいあるんだから、これ以上作んなくてもいいじゃない」とかね。 土屋…いや、僕そう思ってました。毎日コンクリート混ぜたりしてるのかなあーって。でも、確実に哲学より役に立つでしょ?どんなものでも哲学よりは役に立つんだから(笑)。 森……僕、何が哲学なのかよくわからないものですから、なんとも言えないのですが。でも、少なくとも、哲学って言葉は役に立ってますよね。 土屋…哲学という言葉が? 森……言葉がです。「人生哲学」とか、「あの人は哲学がある」とか、よく使われるじゃありませんか。でも、「あの人は化学がある」とか、「あの人は数学がある」とか、「人生工学」とかって、普通使わないでしょう(笑)。 土屋…たしかに「あの人はコンクリートがない」とも言いませんね(笑)。 ――(本文より)