
整形前夜
セイケイゼンヤ
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本当の今日は、いつも1日先にあるように思えてならない。 『世界音痴』『にょっ記』の著者による最新エッセイ集 明日死ぬかもしれない、を前にノーマ・ジーンは微笑み、詩人はお菓子をポケットにしのばせた。 非エレガンスのドミノ倒し/七三からの脱出/映画と現実/もうひとつの時間/普通列車「絶望」行/好き好きセンサー/他者の心の謎/逸脱者の夢/来れ好敵手/自意識トンネル/裏返しの宝石/共感と驚異/表現の痕跡/言葉の迷宮(低次元バージョン)/ふたつの人生が混ざる場所/恋への挑戦――<目次より>
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整形前夜
発売日:2012年07月13日
だが、と私は思う。日本女性の美への進化もまだ完璧ではない。例えば、踵。あの踵たちもやがては克服され、「おばさんパーマ」のように絶滅してゆくのだろうか。かっこ悪い髪型からの脱出を試み、大学デビューを阻む山伏に戦く。完璧な自分、完璧な世界を強く求めながら、平凡な日常の暴走に振り切られる生ぬるき魂の記録。人気歌人の頭からあふれ出す、思索のかけらを集めたエッセイ。(講談社文庫) 人生はぴんとこない戦いの連続だ。 人気歌人・穂村弘の頭からあふれ出す、思索のかけらを集めたエッセイ だが、と私は思う。日本女性の美への進化もまだ完璧ではない。例えば、踵(かかと)。あの踵たちもやがては克服され、「おばさんパーマ」のように絶滅してゆくのだろうか。かっこ悪い髪型からの脱出を試み、大学デビューを阻む山伏に戦(おのの)く。完璧な自分、完璧な世界を強く求めながら、平凡な日常の暴走に振り切られる生ぬるき魂の記録。