濁った激流にかかる橋
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濁った激流にかかる橋

ニゴツタゲキリユウニカカルハシ

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60年に一度の大逆流がやってくる。 激流に分断された市(まち)、右岸と左岸をつなぐ異形な橋の上でそれぞれの生が交錯する瞬間──。世界を凝縮した連作長篇小説。

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濁った激流にかかる橋
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濁った激流にかかる橋

発売日:2007年07月12日

激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。 寓話的都市の崩壊と再生。 激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。 笙野頼子 壊れているのだけれど形は元のまま。生きた本当の人間を渡さない橋。新しい文学や時代意識を阻む、分かりやすいけれど嘘だらけの、改良しようとすると抑圧される、そんな橋であった。それは「上から見た国家視点で書く現実世界」とか「マジョリティのためにある真実」を渡すための「マスコミ言語的」愚民橋である。渡れるのはマッチ棒大の人形のみ。格差社会を繋ぎ、難解で恨みに満ちた現実の激流を越えて渡れるような、そんな新しい橋は、まだまだ遠い。――<「解説」より>

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