
長篇小説 芥川龍之介
チョウヘンショウセツアクタガワリュウノスケ
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芥川の人と文学の秘密を赤裸に暴く 若き日に師事した芥川龍之介の姿を活写した、著者晩年の作。芥川文学の、漢文脈による洗練された修辞をはじめとした教養主義は、「私」を語ることのできない「物語作家」に彼をおしとどめ、「小説家」へと転身をはかろうとした試みの不可能性に悲劇を読み解く。芥川の作品の持つ窮屈さは、養子・龍之介の養家への気兼ねの表れだとも喝破する。身近に接した芥川を、老成した小説家の眼で捉えた快作。 出久根達郎 芥川は、面白い話をつづる一流の「物語作家」ではあるが、人生の諸相をえぐりだし、人の生き方を示す「小説家」ではない。小島はそのような結論を下す。極論かどうかは、問題ではない。読者の私たちが、そうかも知れないなあ、と共鳴したなら、小島の思う壺にまんまとはまったのである。なぜなら、本書は、「小説」だからである。「長篇小説 芥川龍之介」だからである。評論ではない。評論めかした小説なのである。――<「解説」より>
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長篇小説 芥川龍之介
発売日:2008年08月10日
芥川の人と文学の秘密を赤裸に暴く 若き日に師事した芥川龍之介の姿を活写した、著者晩年の作。芥川文学の、漢文脈による洗練された修辞をはじめとした教養主義は、「私」を語ることのできない「物語作家」に彼をおしとどめ、「小説家」へと転身をはかろうとした試みの不可能性に悲劇を読み解く。芥川の作品の持つ窮屈さは、養子・龍之介の養家への気兼ねの表れだとも喝破する。身近に接した芥川を、老成した小説家の眼で捉えた快作。 出久根達郎 芥川は、面白い話をつづる一流の「物語作家」ではあるが、人生の諸相をえぐりだし、人の生き方を示す「小説家」ではない。小島はそのような結論を下す。極論かどうかは、問題ではない。読者の私たちが、そうかも知れないなあ、と共鳴したなら、小島の思う壺にまんまとはまったのである。なぜなら、本書は、「小説」だからである。「長篇小説 芥川龍之介」だからである。評論ではない。評論めかした小説なのである。――<「解説」より>