
抱影
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『弔鐘はるかなり』(1981年)以来、北方ハードボイルド原点の街、横浜を舞台に描く渾身の純愛小説! ハードボイルドの雄として疾走した30年。いま、記念碑的作品が生まれた。 北方ハードボイルドは大人のたしなみである こんな愛しかた、だれにもできない。 赤レンガ倉庫。関内のバー。運河に映るハーモニカハウス。外国人娼婦たち。港町の裏表を見つめてきた硲冬樹は、人妻、響子から死期が近いことを聞かされる。硲は、彼女の裸身に、だれも目にすることはない作品を刻みつけることを決意する。 娼婦に入れ込み、すべてを失うチンピラ。肢体をくねらせるクラブの女。硲の絵に魅せられたやくざ。長屋酒場(ハーモニカハウス)の女絵描き――。暗い川面は、港町の男と女たちを映し出す。そして人妻、響子は、余命半年なのだと告げた――。 講談社創業100周年記念出版
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抱影
発売日:2013年09月13日
生と死のはざまでほとばしる情念。これが北方謙三だ。 定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。死期が近いと告げられるまでは。硲(はざま)冬樹は画家。売れない絵描きではない。横浜に数軒の酒場を持つ。硲の絵を望んだ響子。消えゆく裸身をキャンバスにして、硲は鑿(のみ)を手にした硲は消えない絵を刻みつけようとする。男と女、北方ハードボイルドの到達点! 生と死のはざまでほとばしる情念。これが北方謙三だ。 定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。死期が近いと告げられるまでは。硲(はざま)冬樹は画家。売れない絵描きではない。横浜に数軒の酒場を持つ。硲の絵を望んだ響子。消えゆく裸身をキャンバスにして、硲は鑿(のみ)で消えない絵を刻みつけようとする。男と女、北方ハードボイルドの到達点!