北斗の銃弾
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北斗の銃弾

ホクトノジュウダン

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幕末の怪物的侍!鮮やかな傑作長篇 鋭い現代感覚が切りひらく幕末の政治的謀略。海から来た男の怪物性を描く出色の時代長篇! (なにゆえ、いままで思いつかなんだか……)町方の者に混じって、渡し舟に揺られる釐三郎(りんざぶろう)は、みずからを責めた。その後ろから傘をさしかけているのは、松井音四郎である。しとしとと降る時雨にも、明るさの消えぬ空は、春色というものであろう。遠く雷鳴が聞こえる。人間、万策尽き果てたと諦めたときこそ、天啓というべき閃きを得るものではあるまいか。──向島の隠居とよばれるその人に、釐三郎は正面からぶつかるつもりであった。渡し舟は、白鬚の渡しの左岸の上り場へ着いた。このあたりを寺島村という。──どれほど待たされたであろう、正面の門扉が内側からゆっくりと八の字に開かれた。釐三郎も音四郎も、あっと声をあげそうになった。門内に2人を出迎えたのが、女たちだったからである。──本文・城中総下座より

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北斗の銃弾
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北斗の銃弾

発売日:2001年10月16日

江戸の闇にうごめく非情な暗殺と謀略のワナ。鼠小僧の拳銃が火をふき、阿修羅の怪剣が舞う――鼠小僧次郎吉は、胡椒入れ拳銃(ペパーボックス・ガン)の引き鉄(がね)を絞る。怪剣士・阿修羅外道もまた、大刀を振い暗殺に奔(はし)る。背景には異国船に脅える幕閣の動揺と権力抗争があった。江戸の闇に蠢(うごめ)く謀略の罠。その渦中に巻きこまれた牢人・松井音四郎は、鼠小僧と共に幕府老中に立ち向かっていく。サスペンスあふれる出色の長篇時代小説。

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