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野菜讃歌
ヤサイサンカ
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静かな感動と深い余韻 家族と友を想い、新たなよろこびを探し、散歩を楽しむ。多摩丘陵の家での妻と2人の穏やかで安らかな日々。 野菜が好きで、よく食べる。身体にいいからというのでなくて、おいしいから食べる。年を取って、ますます野菜が好きになったような気がする。好きな野菜のことを書くのに、何から始めたらいいだろう?順位をつけられない。どの野菜がいちばんということはない。どれもみな、いい。 ほうれん草。小松菜。次は大根。白菜、玉葱、葱、大根、さつまいも、それがみなおいしい。――本文より
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野菜讃歌
発売日:2010年01月10日
丘の上の家に移り住んで幾十年が経ち、“禿山”だった庭には木々や草花が育ち、鳥達が訪れる。巣立った子供や身近な人々の間を手作りや到来の品が行き交い、礼状に温かく心が通い合う。「野菜が好き」と語り出す食べ物の話、父母や師友への追懐、自作の周辺等、繰り返しとみえてその実同じではあり得ない日常を、細やかな観察眼と掌で撫でさする慈しみを以て描き静かな感動を誘う随筆43篇に、中篇「私の履歴書」を併録。 平穏な日常を描き続けた庄野文学の最終章! 『夕べの雲』など、家族の平凡な日常を静かな筆致で描く庄野文学。 小説と随筆の間の独特の世界はその死まで変わることなく続いた。 「私の履歴書」併録の随筆集。