
電子あり
幽界森娘異聞
ユウカイモリムスメイブン
マイページに作品情報をお届け!
猫たちを拾った森で、“彼女”に会った―― 文豪の娘にして耽美の祖?!森茉莉と最前衛作家の運命的遭遇 ……彼女、彼女、彼女、この故人のこの活字の世界での名をいきなり「森娘」と命名する。本名森茉莉をそのまま使わないのは、決まってる。私の描いているこの故人が、どう考えても本物の森茉莉とはずれた人物だから。鴎外と志けの娘、では決してないから。私が知っている森娘は、……「贅沢貧乏」という1冊の本の中に住まった1体の妖怪だ。私という作家の雑念と思い違いがそこにこごった、活字の怪でしかない。「作家は死んだ時その本の中に転生する」――本文より
TOPICS

最新刊情報
幽界森娘異聞
発売日:2013年12月11日
五感で選び取った世界を唯一無二の絢爛たる文章で描き、今も熱心に読み継がれ愛される作家、「森娘」。 春の日、雑司ヶ谷の路上で主人公は彼女の姿を? 「贅沢貧乏を読むまで人は死ねない」と断言する著者が無上の愛と敬意をもって織りなし、時空を振るわす、作家同士、魂と言葉の一大セッション。 泉鏡花文学賞受賞作。