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卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
タマゴノフワフワハッチョウボリクイモノゾウシエドマエデモナシ
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煮炊きの煙は、人の心を暖める。 夫との心の行き違いは、食い道楽で心優しい舅(しゅうと)に、いつも扶(たす)けられる。 「のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ」喰い物覚え帖に映し出された心模様。 蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い黄身返し卵。はかない色と味の淡雪豆腐。別れは水雑炊。走りの食べ物としても乙な心太(ところてん)。1個ずつしかできない卵のふわふわ。「無用の用でございますよ」のちょろぎ。
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卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
発売日:2007年07月13日
江戸に拡がる暖かい煮炊きの煙。人はね、当たり前のことがおもしろくないんだよ。裏返しや逆さまが好きなのさ――のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ。夫との心のすれ違いに悩むのぶを、いつも扶(たす)けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅・忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。 ◎「読み進むほどにページを繰るのが早くならずにはいられない小説がある。この小説もそうだった」<塩田丸男「解説」より>