文芸(単行本)作品一覧

時のきれはし
時のきれはし
著:野口 冨士男,装丁:大泉 拓,装画:大沢 昌助
文芸(単行本)
昔の東京の町並みを偲び亡き友と人生を想う傘寿を迎えた病身の老夫婦二人.きれはしのような時をつないで原稿を書く現在の暮しと,来し方を振り返り,昔の東京の町並みと亡き文学者たちを偲ぶ随想集.
名前のない名刺
名前のない名刺
著:野坂 昭如,装丁:諸藤 剛司
文芸(単行本)
奔放な兄と対比をなして私を描く自伝的作品定職をもたず,多くの女を孕ませては失踪をくりかえしながら,確信に満ちた兄.あたかも平穏な生活をしようとする私を嘲笑するかのようであった.自伝的小説.
パセリ・エイジ
パセリ・エイジ
著:森谷 今日子,装丁:赤木 仁
文芸(単行本)
短大生たちのレズビアン感覚を描く青春小説いつも黒い服を着ていた謎めいた少女かなえ.食卓に飾られた青く苦いパセリを口に含んだとき,短大生愛子は男ともだちとは異質の危険を知る.新鋭作家の学生小説
太平記残照
太平記残照
著:阿井 景子,装丁:武山 忠,装画:矢野 道子
文芸(単行本)
太平記の後半を飾る四人の武将を描く中短篇楠木正成の息子・正行.新田義貞の二男・義興.足利尊氏の鹿腹の子・直冬.鎌倉公方足利基氏の執事・畠山国清――太平記の後半,消えていく星たちを描く中短篇集
歌う舟人―父隆慶一郎のこと
歌う舟人―父隆慶一郎のこと
著:羽生 真名,装丁:菊地 信義
文芸(単行本)
故・隆慶一郎の娘が描く、人間・隆慶一郎の思い出。ーー歴史・時代小説の分野に一瞬の光芒をはなって逝った隆慶一郎氏の、激しくもエレガントな人間像を、娘の眼から描く。隆さんの写真も収録し、三周忌を期に刊行された、父&作家の実像。
電子あり
ここに地終わり海始まる(下)
ここに地終わり海始まる(下)
著:宮本 輝,装丁:永原 康史,装画:櫻井 美智子
文芸(単行本)
初めて訪れた、青春。 「純粋培養」された志穂子は、ひとを愛する喜びと苦しみを知り、ひとりの女性として歩み始める……。生命(いのち)の歓びを謳(うた)う、長篇ロマン! 「ここに地終わり 海始まる」の若い主人公を幼児から18年間も結核という病気で封じ込めたのちに、大都会の汚濁の渦に放り出したのは、私が、この小説の主人公を豊かな人格をもつ幸福な女性にしたかったからなのですが、はたして、彼女が幸福になったのかどうかは分明ではありません。なぜなら、私は彼女を「過程」、もしくは「途上」で置き去りにして筆を擱(お)いたからです。幸福を願いつつ、小説の幕をおろしました。──「あとがき」よ
ここに地終わり海始まる(上)
ここに地終わり海始まる(上)
著:宮本 輝,装丁:永原 康史,装画:櫻井 美智子
文芸(単行本)
志穂子、24歳。 6歳のときから療養生活をつづける。志穂子の元に舞い込んだ、たった1枚の絵葉書(ラブレター)が、彼女に奇蹟をもたらした……。爽やかな感動を呼ぶ、恋愛長篇! 6歳から18年間、北軽井沢の結核療養所で過ごした志穂子は、あす、24歳を迎えるという日、生まれて初めてひとりで電車に乗った。それは、志穂子の病状に奇蹟をもたらすきっかけとなった、絵葉書の差出人である梶井克哉に会うためだった。 しかし、志穂子は、その人物に、まったく心当たりがないのだった。──そんなひとが、なぜ私に絵葉書などくれたのだろう?……
後宮秘抄-生母と寵妃
後宮秘抄-生母と寵妃
著:南條 範夫,装画:村上 豊,装丁:熊谷 博人
文芸(単行本)
後醍醐天皇をめぐる2人の女性を描く長編!わが子・尊治(のちの後醍醐帝)を皇位継承者に仕立てようと執念を燃やす生母・忠子。帝の寵妃として南北朝を生きた阿野廉子。果しない野望と奔放な恋のドラマ。
アレゴリ-の織物
アレゴリ-の織物
著:川村 二郎,装丁:菊地 信義
文芸(単行本)
ドイツバロックを素にアレゴリ-文学を考察普遍に対する特殊を求めるアレゴリ-文学.ドイツバロック文学のアレゴリ-性を論じたベンヤミンやコメレル等を中心に論考し,その魅力を見直す意欲的な長篇評論
鐘
著:内田 康夫
文芸(単行本)
名探偵・浅見光彦、待望の新作長編 京都名刹(めいさつ)の国宝梵鐘(ぼんしょう)と6つの鐘。連続殺人の秘密を知るのは何処(いずこ)の鐘か。著者渾身、文芸ミステリーの傑作! 名作『平城山(ならやま)を越えた女』につづくリリカルミステリー。春の平城山から初夏の四国路、北陸路へ。日本の四季を彩る花々と怪奇な殺人。今、浅見光彦文芸4部作、第2弾の衝撃!
あがの夕話
あがの夕話
著:鳥越 碧,装丁:安彦 勝博,その他:康 唯子
文芸(単行本)
朝鮮人陶工・上野喜蔵尊楷と妻・可奈の一生豊前小倉細川藩の国窯を開いた上野喜蔵尊楷の陶芸にかける情熱と、現実の今にこだわる妻・可奈の夫婦愛と葛藤を流れるような筆致で描く。時代小説大賞受賞後第一作! 朝鮮人陶工・上野喜蔵尊楷と妻・可奈の一生。豊前小倉細川藩の国窯を開いた上野喜蔵尊楷の陶芸にかける情熱と、現実の今にこだわる妻・可奈の夫婦愛と葛藤を流れるような筆致で描く。時代小説大賞受賞後第一作
電子あり
崩れ
崩れ
著:幸田 文,装丁:大泉 拓,装画:吉田 善彦
文芸(単行本)
緑豊かな自然のなかで山が崩れ、河が荒れる。崩れ その風景はなんと切なく胸に迫るものか。生あるものの哀しみを見つめる最後の長篇 この崩れこの荒れは、いつかわが山河になっている。わが、というのは私のという心でもあり、いつのまにかわが棲む国土といった思いにもつながってきている。こんなことは今迄にないことだ。私は自分がどんなに小さく生き、狭く暮してきたか、そしてその小さく狭い故に、どうかこうか、いま老境にたどりつけたと、よくよく承知している。──本文より
水晶のピラミッド
水晶のピラミッド
著:島田 荘司,装丁:菊地 信義,装画:倉科 昌高
文芸(単行本)
空中高くに出現した密室で溺れ死んだ実業家……アメリカ南部の孤島に屹立(きつりつ)する人工のピラミッドに起こる不可能犯罪の謎! 死者は、上体を奇妙な具合にそらせ、右手を前方に、左手を後方に伸ばし、今まさに、クロールで水を掻いているところのように、双方を微妙に彎曲させていた。死因は、なんと溺死だった。それも、三十数メートル眼下の海水を内臓いっぱいに飲まされ、絶命していたのである。――本文より
ラブ・クライム
ラブ・クライム
著:菊地 秀行,装丁:熊谷 博人,装画:池田 タク
文芸(単行本)
愛から生まれた25の恐怖.異色短篇連作.伝奇バイオレンスの第一人者の見せるもうひとつの顔.ホラ-風味たっぷりの,ラブスト-リ-.どこからでも楽しめる25篇の連作短篇集.すうっと背中が寒くなる
脱走人別帳
脱走人別帳
著:早乙女 貢,装丁:三井 永一
文芸(単行本)
薩長の虜囚から悲憤の脱走をした会津藩士伝勝者の横暴と敗者の復讐!明治維新秘話を七本収録した連作歴史小説.いずれも戊辰戦争で敗れた会津藩士を主人公にして,明治になってからのその痛哭の人生を描く
てとろどときしん 大阪府警・捜査一課長事報告
てとろどときしん 大阪府警・捜査一課長事報告
著:黒川 博行,装丁:長友 啓典,装丁:黒田 征太郎,装丁:K2
文芸(単行本)
東奔西走,ナニワのデカコンビ,事件を追うあの悪名高い大阪府警もガンバっている.難事件にとりくむ刑事たちの活躍を,ユ-モラスな会話と軽快なテンポで描く著者お得意のミステリ-.表題作ほか五編収録
夢の女
夢の女
著:小桧山 博,装丁:司 修
文芸(単行本)
妻と恋人の間で惑う男の性を描く書下し長篇若い結婚生活に苛立ち妻と別居した男は少女のように可憐な女に魅かれる.ふたりの女の間で惑う男のどうしようもない性を描く書下ろし長篇小説.
妻への詫び状
妻への詫び状
編:小説現代,装丁:南 伸坊
文芸(単行本)
「小説現代」連載中の名物コラムの単行本化計119名の作家・画家等の有名人が,個性あふれる,「言い訳」「居直り」「心からの詫び?」を繰りひろげる.著者名の五十音順に収録.
晩年の子供
晩年の子供
著:山田 詠美,装画:山本 容子,装丁:坂川 栄治
文芸(単行本)
愛の小説によるもうひとつの感情教育 青春前期の憂愁を見事に描く山田文学の傑作 「私は、かつて晩年を迎えたことがある。」で始まる少女の述懐は、夏休みの伯母の家でのことだった。今でも思い出す痛いような瞬間!他に「花火」「桔梗」等収録
超電導ナイトクラブ
超電導ナイトクラブ
著:村上 龍,装画:有田 泰而
文芸(単行本)
常識もモラルも軽くぶっとばす魅力の長編小説 花の銀座の小粋なクラブで、客は夜ごと、ハイテックなロマンを求めて病いのステップを踊り狂う。 日本よ、さようなら。平和よ、さようなら。支離滅裂な光と闇の交錯の向こうに見えてくるグロテスクな世紀末の輪郭! ボディビルダーのママが経営するシックなお店《超電導ナイトクラブ》に集まる客は、ニュー・セラミックスや光ファイバー通信や生物工学の技術者たち。常識も教養もモラリティもない彼らが展開する抱腹絶倒前代未読の超ブラック・コメディ!