文芸(単行本)作品一覧

ショットとは何か 歴史編
ショットとは何か 歴史編
著:蓮實 重彦
文芸(単行本)
収録作 映画の「未来」に向けて/スクリューボールまたは禁止と奨励 ハリウッド30年代のロマンチック・コメディー/オーソン・ウェルズはたえずフィルモグラフィーを凌駕しつづける/「黒さ」の誘惑 リタ・ヘイワースの曖昧さはいかにして「フィルム・ノワール」を擁護したか/これは、「黄昏の西部劇」である以前に、映画の王道に位置づけらるべき作品である サム・ペキンパー監督『昼下りの決斗』/ロッセリーニによるイタリア映画史/ロベルト・ロッセリーニを擁護する/娘のイザベラを使って、ロッセリーニに『イタリア旅行』のリメイクを撮らせたくてならなかった/ジャン・ルノワール論のために/レマン湖の畔にて ゴダールにとっての―あるいは、ストローブにとっての―スイスについて/署名の変貌――ソ連映画史再読のための一つの視角/寡黙なるものの雄弁 ホー・シャオシェンの『戀戀風塵』/吹きぬける風のかなたに「黒衣の刺客」/タイプライターとプロジェクターに護られて/ここでは、魂と肉体とが、奇蹟のように融合しあっている「アンジェリカの微笑み」/歳をとらずに老いるということの苛酷さについて ペドロ・コスタ『ホース・マネー』/このホークス的なコメディは、文字通りの傑作である ウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』/十字架 シャワー 濡れた瓦…… 『ヴィタリナ』をめぐってペドロ・コスタに訊いてみたい三つのことがら/抒情を排したこの寡黙な呟きに、ひたすら耳を傾けようではないか ―ケリー・ライカート小論―/黒沢清『スパイの妻』『蛇の道』/濱口竜介『悪は存在しない』/映画の「現在」に向けて ゴダールの『奇妙な戦争』に触れて思うこと/年間ベスト10
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少女には向かない完全犯罪
少女には向かない完全犯罪
著:方丈 貴恵
文芸(単行本)
「教えて?復讐のやり方を」 一人ぼっちの少女が頼ったのは、あと7日で消滅する幽霊。 伏線、伏線また伏線! 2年連続本格ミステリ大賞ノミネート作家による 終着点が心震わせる本格ミステリ ☆☆☆ なにもできない二人が、 逃げ、考え、罠にかける! 頭脳戦の楽しみに満ちた爽快な復讐譚! 黒羽烏由宇は、ビルから墜落し死につつあった。 臨死体験のさなか、あと七日で消滅する幽霊となった彼は、 両親を殺された少女・音葉に出会う。 彼女は、出会い頭に彼に斧を叩き込んで、言う。 「確かに、幽霊も子供も一人じゃ何もできないよ。 でも、私たちが力を合わせれば、大人の誰にもできないことがやれると思わない?」 天井に足跡の残る殺人、閉じ込められた第一発見者、犯人はこの町にいる。
電子あり
春のほとりで
春のほとりで
著:君嶋 彼方
文芸(単行本)
十代のあなたに会いにいこう。 声を殺して泣いた日も、無理して笑ったあの日も。 ぐっと押し込めた心の痛みを、君嶋彼方は掬いとる。 学校の片隅で紡がれる、青とも春とも限らない日々を描いた連作短編集。 ■収録作品 走れ茜色 「俺と同じ人を好きな君。だからこの嘘は、絶対に隠し通す」 樫と黄金桃 「小学生時代の忘れたい過去。あの子だけがそれを知っている」 灰が灰に 「屋上で出会った不良。ある日、彼に屋上に呼び出されーー」 レッドシンドローム 「偶然見つけてしまった親友の裏アカ。一体どうしてこんなこと」 真白のまぼろし 「初めて漫画を描いていると話せた友達。一緒に描こうと決めたのに」 青とは限らない 「唯一心を許せる男友達。男女の友情って成立しないの?」 大人になれば忘れてしまう、全力でもがいたあの日のこと 『君の顔では泣けない』の著者最新作 読むならここから!
電子あり
フェイク・マッスル
フェイク・マッスル
著:日野 瑛太郎
文芸(単行本)
独自の世界で勝負できる書き手だと思う。--東野圭吾 頭抜けて面白かった。--綾辻行人 まんまと作者の術中にはまった。ーー有栖川有栖 エンタメとして読ませるテンポの良さも素晴らしい。ーー辻村深月 潜入取材シリーズとなれば喜んで追っていきたいと思います。――湊かなえ あらすじ たった3ヵ月のトレーニング期間で、人気アイドル大峰颯太がボディービル大会の上位入賞を果たした。SNS上では「そんな短期間であの筋肉ができるわけがない、あれは偽りの筋肉だ」と、ドーピングを指摘する声が持ち上がり、炎上状態となってしまう。当の大峰は疑惑を完全否定し、騒動を嘲笑うかのように、「会いに行けるパーソナルジム」を六本木にオープンさせるのだった。 文芸編集者を志しながら、『週刊鶏鳴』に配属された新人記者・松村健太郎は、この疑惑についての潜入取材を命じられ、ジムへ入会する。馬場智則というベテラン会員の助力を得て、大峰のパーソナルトレーニングを受講できるまでに成長。ついに得た大峰との一対一のトレーニングの場で、ドーピングを認める発言を引き出そうとするが、のらりくらりと躱されてしまう。あの筋肉は本物か偽物か。松村は、ある大胆な方法で大峰をドーピング検査にかけることを考え付くのだが――? フェイクが氾濫する時代の、「真実の物語」が始まった。
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春、出逢い
春、出逢い
著:宮田 愛萌
文芸(単行本)
短歌の力は、アイドル歌会で折り紙つき。 愛萌さんだから描けた等身大の青春に、心が弾みます。――俵万智 存続危機の文芸部が目指すのは、短歌甲子園出場。 三十一文字に込めた世界をめぐる初の青春小説。 東京都立櫓門高等学校文芸部・二年生で部長の吉徳紅乃は、先輩の木虎礼登と部員集めに奔走していた。 顧問の先生の提案から短歌初心者が多い中、八月に開催される短歌甲子園出場を目指すことに。 瑞々しく等身大の言葉で競い合う、作家・宮田愛萌が描く高校生たちの熱き青春譚。 物語を彩る、宮田愛萌さんによるオリジナル短歌を約六十首収録。 初回限定 特製短歌しおりをランダム封入(全五種)
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日本扇の謎 愛蔵版
日本扇の謎 愛蔵版
著:有栖川 有栖
文芸(単行本)
舞鶴の海辺の町で発見された、記憶喪失の青年。名前も、出身地も何もかも思い出せない彼の身元を辿る手がかりは、唯一持っていた一本の「扇」だった……。そして舞台は京都市内へうつり、謎の青年の周囲で不可解な密室殺人が発生する。事件とともに忽然と姿を消した彼に疑念が向けられるが……。動機も犯行方法も不明の難事件に、火村英生と有栖川有栖が捜査に乗り出す!
今宵も猫は交信中
今宵も猫は交信中
著:水庭 れん
文芸(単行本)
第17回小説現代長編新人賞受賞後第一作! 猫がごろごろと喉を鳴らす理由を、皆さんはご存じですか? 実は、テレパシーで他の猫と交信している真っ最中なのです―― 宵、きせき、シュトレン、めい子の4匹は別々の家に引き取られた四姉妹。今日も元気にごろごろ喉を鳴らし、テレパシーで会話中。しかし、いつも明るいめい子の様子がおかしい。飼い主夫婦が離婚の危機にあるようだ。猫の自分には引き留めることができないと途方に暮れるめい子の元に現れたのはなんと宵だった! なぜならお姉ちゃんだから! 猫と猫、猫と人の絆を描く、猫視点ハートフルドラマ!
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死んだ石井の大群
死んだ石井の大群
著:金子 玲介
文芸(単行本)
白い部屋に閉じ込められた333人の石井。失敗すれば即、爆発の3つのゲームで試されるのは、運か執着心かーー。 14歳の唯は死にたかった。理由なんてなかった。何度も死のうとした。死ねなかった。今、はじめて生きようと思った。この理不尽な遊びから抜け出すために。 探偵の伏見と蜂須賀の元に、石井有一という人物を探してほしいという依頼がきた。劇団の主宰が舞台での怪演を目の当たりにし、その才能にほれ込んだ矢先の失踪だった。 唯と有一の身に何が起きたのか、そして二人の生死の行方はーー。
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かごいっぱいに詰め込んで
かごいっぱいに詰め込んで
著:真下 みこと
文芸(単行本)
「いいなあ、幸せそうで」 スーパーを訪れる5編の「生活」。 寿退社をして主婦となり、子どもが手を離れた美奈子。社会に出て働こうと思い立つが、転職活動は思うようにいかない。 (「おしゃべりなレジ係」) 小学生の頃からのある癖によって痩せた、大学生の流花。しかし「ぶた」と呼ばれて受け流してしまった当時の自分を未だに許せない。 (「小さな左手」) 元彼女に二股をかけられて以来、マッチングアプリで遊ぶようになった亮。ある日会社の後輩から、SNSで自分がヤリモクの要注意人物として晒されていると知らされる。 (「気をつけてください!」) 友達の結婚ラッシュに焦り、婚活アプリで出会った貴文と結婚した咲希。出産した友達に「次は咲希の番だね」と言われ、咲希も妊活を始める。 (「なわとびの入り方」) IT化についていけず、早期退職した哲郎。ハローワークで再就職先を見つけられず、妻にも愛想をつかされ、公園のベンチで昼食をとる日々が続く。 (「不機嫌おじさん」) 「もう無理かもしれない」そんな気持ちを真下みことは掬い上げ、寄り添い、抱きしめてくれる。
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これが最後の仕事になる
これが最後の仕事になる
編:講談社,著:小川 哲,著:五十嵐 律人,著:秋吉 理香子,著:呉 勝浩,著:宮内 悠介,著:河村 拓哉,著:桃野 雑派,著:須藤 古都離,著:方丈 貴恵,著:白井 智之,著:潮谷 験,著:多崎 礼,著:真下 みこと,著:献鹿 狸太朗,著:岸田 奈美,著:夕木 春央,著:柿原 朋哉,著:真梨 幸子,著:一穂 ミチ,著:三上 幸四郎,著:高田 崇史,著:金子 玲介,著:麻見 和史,著:米澤 穂信
文芸(単行本)
最初の1行は全員一緒。 1編6ページ、24種の「最後の仕事」。 早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。 ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。 著者一覧(掲載順) 小川哲 五十嵐律人 秋吉理香子 呉勝浩 宮内悠介 河村拓哉 桃野雑派 須藤古都離 方丈貴恵 白井智之 潮谷験 多崎礼 真下みこと 献鹿狸太朗 岸田奈美 夕木春央 柿原朋哉 真梨幸子 一穂ミチ 三上幸四郎 高田崇史 金子玲介 麻見和史 米澤穂信 『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。
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法廷占拠 爆弾2
法廷占拠 爆弾2
著:呉 勝浩
文芸(単行本)
法廷に囚われた100人を、ひとり残らず救い出せ! 未曾有の連続爆破事件から一年。 スズキタゴサクの裁判の最中、遺族席から拳銃を持った青年が立ち上がり法廷を制圧した。 「みなさんには、これからしばらくぼくのゲームに付き合ってもらいます」 生配信で全国民が見守るなか、警察は法廷に囚われた100人を救い出せるのか。 籠城犯vs.警察vs.スズキタゴサクが、三つ巴の騙し合い! ★★★絶賛の声、続々!!★★★ 「どんでん返しの帝王」の異名を取るアメリカの作家ジェフリー・ディーヴァーも顔負けと言えよう ――千街晶之(書評家) エンターテインメント小説として、本当に面白い。なのに注意しろ!と鐘の音が鳴り続ける ――藤田香織(書評家) 今年のミステリー賞を総なめにすること間違いなし ――ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理 緻密に組み上げられた緊迫の襲撃・籠城サスペンスにして、無敵の爆弾魔・スズキタゴサクの新たな物語 ――ときわ書房本店 宇田川拓也 あの衝撃の一作目を上回る面白さ! ――紀伊國屋書店鶴見大学ブックセンター 伊勢川詩織
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鷹の飛翔
鷹の飛翔
著:堂場 瞬一
文芸(単行本)
「俺は少し休む。少しだけ。でもそれは、また飛ぶための休みだ」 「俺たちを超えて飛べ。鷹の休息が終わったその日に」 平成を駆け抜け、警察官人生の晩年を迎えた二人の刑事が挑む、最後の事件。 捜査一課と公安一課。二人の目で戦後警察の歩みを浮き彫りにする大河サーガ「日本の警察」ついに最終章! 東日本大震災の翌年、2012年夏。都内で起きた四件の殺人。被害者は全員、四半世紀前の都内飛翔弾事件の容疑者だった。 同一犯か、別個の事件なのか。そして犯人の動機は? 捜査一課理事官の高峰、目黒中央署署長の海老沢。病を得、妻との別離の予感を抱え、激変する時代に翻弄される二人の刑事は、それでも警察の未来を見据え、後進に背中を見せ、最後の戦いに挑む。
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バリ山行
バリ山行
著:松永K三蔵
文芸(単行本)
第171回芥川賞受賞作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋) 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。
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息のかたち
息のかたち
著:いしい しんじ
文芸(単行本)
ひょんなことからひとの「息」が見えるようになった京都の高校生・夏実の物語。 どんな世界になっても息づくいのちの躍動を描いた青春小説。 コロナウイルスという「目にめーへんややこしいもん」にも変えられないもの。 突然の休校や陸上大会の延期、急なモテへの戸惑い、そして受験と進路…… コロナ禍の「青春のかたち」を切り取った、待望の作品集。 息は、光は、そこにある。気に留めるか、留めないか、そのちがいがあるだけ。
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世界の適切な保存
世界の適切な保存
著:永井 玲衣
文芸(単行本)
ロングセラー『水中の哲学者たち』で話題沸騰! 対話する哲学者・永井玲衣、待望の最新刊! 見ることは、わたしを当事者にする。 共に生きるひとにする。 世界をもっと「よく」見ること。その中に入り込んで、てのひらいっぱいに受け取ること。 この世界と向き合うための哲学エッセイ。 わたしはどうやら、時間が流れていくにしたがって、 何かが消えるとか、失われるとか、忘れられるということがおそろしいらしい。 ここに書かれたもの。その何倍もある、書かれなかったもの。 でも決してなくならないもの――。 生の断片、世界の欠片は、きかれることを待っている。じっとして、掘り出されることを待っている。
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地図とその分身たち
地図とその分身たち
著:東辻 賢治郎
文芸(単行本)
時代とともに形を変えながら常に私たちのそばにある「地図」。 私たちは「地図」を通して何に出会っているのだろうか? 世界の肌触り、欲望と知の来歴、怪物の気配、置いてきた故郷、融ける国境、街角の冒険、駆け抜ける自転車、戦争の姿、歴史の空白、地図製作者、映画の手がかり、位置情報の意味、失われた存在、浮遊する鳥の眼差し……。 レベッカ・ソルニット『ウォークス』で知られ、地図製作者でもある翻訳家による、地図に魅せられた思索のエッセイ。 【目次】 差し出される地図/矢印の母/飛ぶことのいくつかの様態/臓物と風の色/動くもの、複数の時間/革と夢/誰もが地図を見るとき/偏在するものと目に見えないもの/鳥/空白/待つ、見送る/ウィリアム・リスゴーの失われた耳/形のないものへの旅/『サクリファリス』の地図についての覚え書き/地図はあるか?/洞窟の形/ディタッチメント/迷宮のようなもの/はじめと終わりがある/怪物までの距離/地名の群れ/ロスト・アンド・ファウンド/代償について/カルトグラフィック・シネマ/球と平面/奥行きについて/地図とその分身たち
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撮るあなたを撮るわたしを 自撮りとスクショの写真論
撮るあなたを撮るわたしを 自撮りとスクショの写真論
著:大山 顕
文芸(単行本)
気づけは猫の写真ばかり撮ってしまうのは、なぜ? 高性能化するスマホのカメラ、SNS、生成AIの登場。 まったく新しい視点を私たちに授け、 存在そのものも変化し続ける 「写真」とはそもそも何なのだろうか。 はじめに ”自撮り猫”の登場前夜に 第1章 戦争と疫病の写真  自撮りをするゼレンスキーと、しないプーチン  コロナと顔をめぐる写真論  年賀状写真とオンラインミーティングの顔  戦前・戦争写真のカラー化は何を見えなくしたのか 第2章 スクショと四人称のリアル  写真はスクショに「戻った」  スマホ越し写真と四人称のリアル  カメラと祈りの方角 第3章 顔と自撮り   顔のランドスケープ 一八世紀のスマートフォン  月食とポートレイト  触角と視覚、前後と左右 第4章 スマホ画面と写真の原理  「プレビュー」の誕生と消滅  手のひらと移動する写真  写真はなぜ四角いのか  生成AI・プロパティ化する顔写真 おわりに カメラの想像力
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ナイルの聖母
ナイルの聖母
著:Scholastique Mukasonga,訳:大西 愛子
文芸(単行本)
ルワンダの山岳地帯にあるカトリックの寄宿制女子校で起きる、小さな差別、区別、妬みや羨望。女性エリートを育成する学校の生徒たちは、誇り高く規律を守った日常を送るが、それぞれの「うまくいかない日々」への不満は、大きな溝に取り込まれていく。誰しもが持つ小さな負の感情は、いつしか避けがたい衝突へと導かれ……。
伯爵と三つの棺
伯爵と三つの棺
著:潮谷 験
文芸(単行本)
時代の濁流が兄弟の運命を翻弄する。 フランス革命が起き、封建制度が崩壊するヨーロッパの小国で、元・吟遊詩人が射殺された。 容疑者は「四つ首城」の改修をまかされていた三兄弟。五人の関係者が襲撃者を目撃したが、犯人を特定することはできなかった。三兄弟は容姿が似通っている三つ子だったからだ。 DNA鑑定も指紋鑑定も存在しない時代に、探偵は、純粋な論理のみで犯人を特定することができるのか?
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動物城2333
動物城2333
著:荷午,著:王 小和,訳:島田 荘司
文芸(単行本)
動物は人間と並ぶ知能を得て独立を試みるが、人間はそれを受け入れずに戦争を起こした。 長く続いた戦闘の後、西暦2333年、動物と人間との間は冷戦状態にある。 動物王国の首都・動物城一番の探偵・ブレーメンのもとに、ワニのネロ将軍がやって来た。 人類から派遣された大使が殺害されたという。 いち早く真犯人を見つけ、正しい手はずで公表しなければ、新たな戦争につながりかねない。 ブレーメンはカエルのアグアとともに不可解な事件の調査に乗り出す。
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