文芸(単行本)作品一覧

円かなる大地
文芸(単行本)
【第27回大藪春彦賞受賞作】
恨むな。憎むな。あらゆる声へ耳を傾けよ。そして――とこしえの和をなせ。
時は戦国、北の大地。謎多きアイヌの壮年・シラウキが人喰いクマの襲撃から助けた少女はなんと、蠣崎氏当主の娘・稲姫だった。礼として居城に招かれるが、それが思わぬ和人とアイヌの戦の引き金を引いてしまう。
稲は己の無知が招いた惨状を目の当たりにして、和睦には自ら打って出ることを決意する。
一方シラウキも稲姫の姿に心打たれ、少年期の惨劇の清算を和睦へと託すのであった。無頼の女傑、女真族、恐山の怪僧……二人は心強い協力者とともに和睦の中人となりうる出羽国・安東氏のもとへ向かう。
果たして二人は、「とこしえの和」を実現することができるのか。
いま最も注目を集めるヒストリーテラーが贈る、乾坤一擲の本格歴史エンターテイメント。

メタバースの哲学
文芸(単行本)
「ここではないどこか」を求めて――。
単なるバズワードでは終わらない、既に側にある革命的技術・メタバース。
私たちは何を求め、何を叶えようとしているのか。
「人間」と「現実」の関係を問い直すことで見えてくる、未来の正体。
哲学的視点から光をあてなおす、「今さら」ではない、まったく新しいメタバース論。
メタバースは、「もう一つの現実」なのか?
メタバースにおける「私」は、物理空間の「私」と同一なのか?
メタバースにおいて、「他者」との関係性はどうなるのか?
メタバースにおいて、人間同士の共同体は成立しうるのか?
メタバースは、現実世界とどう関わっていくのだろうか?
哲学的「問い」が導く答え――メタバースとは、何なのか?

楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集
文芸(単行本)
人生を物語に刻んで。
ロングセラー『掃除婦のための手引き書』(2020年本屋大賞翻訳小説部門第2位)、『すべての月、すべての年』に続く待望の短編集。
「彼女の書く文章はほかの誰とも似ていない。読むものの心を鷲づかみにして、五感を強く揺さぶる。読んだときは文字であったはずのものが、本を閉じて思い返すと、色彩や声や匂いをともなった「体験」に変わっている。(中略)まるで自分もそこにいて、それらを見、聞き、感じたような錯覚にとらわれる。それほどに、彼女の言葉の刻印力は強い。」(「訳者あとがき」より)
【目 次】
オルゴールつき化粧ボックス
夏のどこかで
アンダード あるゴシック・ロマンス
塵は塵に
旅程表
リード通り、アルバカーキ
聖夜、テキサス 一九五六年
日干しレンガのブリキ屋根の家
霧の日
桜の花咲くころ
楽園の夕べ
幻の船
わたしの人生は開いた本
妻たち
聖夜、一九七四年
ポニー・バー、オークランド
娘たち
雨の日
われらが兄弟の守り手
ルーブルで迷子
陰
新月

新しい恋愛
文芸(単行本)
みんなの恋愛をわたしは知らない。
芥川賞受賞のベストセラー『おいしいごはんが食べられますように』著者が放つ、最高の〈恋愛〉小説集。
あなたはどこまで共感できますか?
ひと筋縄ではいかない5つの「恋」のかたち。
【収録作品】
「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」

ハンドレッドノート-名探偵 恵美まどかの事件簿-
文芸(単行本)
YouTube総登録者数100万人&再生回数9億回突破!!
【ハンドレッドノート公式小説】
眠り姫・恵美まどかが「記憶」を駆使して数々の謎を解く!
「答え合わせをしよう」
「だって仕事したくないんだもん」
恵美まどかは、見たもの全てを記憶する天才。
しかしこの世の何よりも寝ることが好きで、眠り姫とも呼ばれている。
恵美が事務所を抜け出し、喫茶店《ライム》で仮眠をとりながらサボっていると、少女がドアを開けて入ってきた。
亡くなった彼の事故の真相を調べていると言う。
恵美は《ライム》のマスター・康介に言われ、仕方なく少女の話を聞くがーー

迷惑な終活
文芸(単行本)
やり残したことにケリをつけるのが、本当の終活だ。
年金暮らしの原夫妻。妻の礼子はいわゆる終活に熱心だが、夫の英太は「生きているうちに死の準備はしない」という主義だ。そんな英太があるきっかけから終活をしようと思い立つ。それは家族や他人のためではなく、自分の人生にケリをつけること。彼は周囲にあきれられながらも高校時代の純愛の相手に会うため動き始める。やがて、この終活が思わぬ事態を引き起こし──。
『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』『老害の人』に続く著者「高齢者小説」第5弾!
「そうそう!」「わかるわかる!」と本と会話をしているようです。
終活の考え方は、十人十色。「それでいいんだ!」「それが私の人生!」と思わせてくれ、高齢者を元気にする作品です。
──泉ピン子
喋り屋稼業いつ店仕舞いを...なんて思いが過る頃、内館「老いの四部作」をたて続けに読んだ。私は別人となり、最期は「喋り死に」するまで生き切るぞ!と叫んだ。さあ新たな高齢者ライブ『迷惑な終活』の開演だ!お席に着いて下さい!
──古舘伊知郎

短物語
文芸(単行本)
西尾維新がおくる青春怪異譚〈物語〉シリーズ、初となる短々編集!
初期三十三編に六つの書き下ろし短々編を加えた、三十九編の身近な物語!
*
“人の心など、僕にとっては暗闇だ。”
忘れたい過去の記憶に魘される千石撫子。
果てなき未来にいよいよ絶望する忍野忍。
カウンセリングを試みるのは死体人形・斧乃木余接!
「なでこパスト」/「しのぶフューチャー」
*
これぞ現代の
怪異!
怪異!
怪異!
未来過去、語り遭えるのが、青春だ。
【収録作】
ひたぎブッフェ/まよいルーム/するがコート/なでこプール/つばさソング/ひたぎネック/かれんアームレッグ/つきひエターナル/しのぶハウス/つばさボード/まよいキャッスル/ひたぎコイン/なでこミラー/しのぶサイエンス/ひたぎフィギュア/ひたぎサラマンダー/ひたぎスローイング/するがパレス/よつぎフューチャー/おうぎトラベル/するがニート/ろうかゴッド/しのぶフィギュア/かれんブラッシング/つきひブラッシング/こよみヒストリー/よつぎストレス/人として/どうかして/そして/どうして/心して/まよいウェルカム/よつぎスノードーム/おうぎロードムービー/そだちペナルティ/しのぶトゥナイト/なでこパスト/しのぶフューチャー

親密な異邦人
文芸(単行本)
7年間小説を書けずにいる小説家――「私」は、目にとめた新聞広告に衝撃を受ける。そこには、「この本を書いた人を探しています」というフレーズと小説の一部が掲載されていた。その小説は、「私」がデビューする前に、誰にも知らせずに投稿していた作品だったのだ。事情を調べ始めた「私」は、謎の多い女性「イ・ユミ」に辿り着き、彼女の人生を追うことになる。
ある時は、キラキラした女子大生。ある時は、評判のいいピアノ教師。ある時は、センスのある大学講師。ある時は、優しい医師。またある時は、ーー。
虚像で塗り固めた幾重もの仮面の裏から徐々に表れる真実の素顔。

マザー
文芸(単行本)
5つの短編に待ち受ける、予想外の驚愕の結末!
あなたはもう、以前の家族には戻れない。衝撃の令和の家族像。
「母という禍、家庭という地獄。
ひょっとして獄吏は自分自身なのかもしれない」
ーー中島京子(小説家)
<崩壊する家族を描く、衝撃の連作短編集!>
セメタリー
ワンピース
ビースト
エスケープ
アフェア
<書評家も絶賛>
「よくぞこの全人類にとって厄介で気になりすぎる母という存在を描き切ってくれた。不謹慎なほどの面白さ!」ーーマライ・メントライン
「作者がエールを送っているのは、母という名の女性たちなのだ。母親という呪縛に囚われている、すべての女性たちなのだ」--吉田伸子
母と娘の関係性はたくさん書かれているが、これは、母とかつて母だったものとの物語だ。
アニメのような三世代家族から独立して家庭を持った青年が、コロナ禍の間に立て続けに身内が亡くなった実家に久々に帰る「セメタリー」、過労によるうつ病で医師の仕事をやめて離婚した兄から、その身を案じながら亡くなった母の一周忌を前に再婚の知らせが届く「ワンピース」、娘が嫁いで一人残された高齢女性が、やがてマンション内で鞘当てが起きるほどに華やかに変貌していくさまを管理人の目から見た「アフェア」など、「母」という名に隠された一人の女性としての“本当”の姿を描き出す、直木賞作家渾身の家族小説!

多頭獣の話
文芸(単行本)
謎めいた「神話」が
IT企業を舞台によみがえる──
現代のカフカ的傑作!
そのYouTuberは「予言」する。
世界の危機を回避し、人類が進むべき方向を指し示すために。
かつて存在した「完璧な文章」を取り戻すために。
「この世界は、生きるに値するのだろうか?」
会社員からトップYouTuberに転身した元後輩の桜井君。またの名を、「YouTuberロボット」。
IT企業の幹部としてプロジェクトに忙殺される日々を送る「僕」の前に、再び彼が現れた──。

タブー・トラック
文芸(単行本)
世間のルールや価値観に、生まれながらのスペックに、
DNAやホルモンに制限される人生を、思考停止で受け入れちゃいないか?
芥川賞作家・羽田圭介が突き付ける問い。「その人生、自分の力で変えられますか?」
時代や場所が変われば変容するもの、アンコントロールな要素に左右される日常で、私たちは何を疑い、何を信じればいい――? 「タブー」蔓延る現代に放つ、衝撃の問題作!
【タブートラック】…改造車。世間の目を気にせず、禁忌を犯せるプライベートスペース。
世間が抱くクリーンなイメージを維持するために、押しつぶされそうになる俳優。
過去の失敗から、自らをコントロールすることに腐心する脚本家。
不祥事を起こした著名人をSNSで弾劾し、恵まれない人生の憂さ晴らしをする会社員。
親に黙って整形し、歌とビジュアルを武器に動画配信で荒稼ぎする女子高生。
タブーに縛られ、タブーに魅せられた人生が交錯する先に現れたのは、「理想」の世界か、それとも――?

ショットとは何か 歴史編
文芸(単行本)
収録作
映画の「未来」に向けて/スクリューボールまたは禁止と奨励 ハリウッド30年代のロマンチック・コメディー/オーソン・ウェルズはたえずフィルモグラフィーを凌駕しつづける/「黒さ」の誘惑 リタ・ヘイワースの曖昧さはいかにして「フィルム・ノワール」を擁護したか/これは、「黄昏の西部劇」である以前に、映画の王道に位置づけらるべき作品である サム・ペキンパー監督『昼下りの決斗』/ロッセリーニによるイタリア映画史/ロベルト・ロッセリーニを擁護する/娘のイザベラを使って、ロッセリーニに『イタリア旅行』のリメイクを撮らせたくてならなかった/ジャン・ルノワール論のために/レマン湖の畔にて ゴダールにとっての―あるいは、ストローブにとっての―スイスについて/署名の変貌――ソ連映画史再読のための一つの視角/寡黙なるものの雄弁 ホー・シャオシェンの『戀戀風塵』/吹きぬける風のかなたに「黒衣の刺客」/タイプライターとプロジェクターに護られて/ここでは、魂と肉体とが、奇蹟のように融合しあっている「アンジェリカの微笑み」/歳をとらずに老いるということの苛酷さについて ペドロ・コスタ『ホース・マネー』/このホークス的なコメディは、文字通りの傑作である ウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』/十字架 シャワー 濡れた瓦…… 『ヴィタリナ』をめぐってペドロ・コスタに訊いてみたい三つのことがら/抒情を排したこの寡黙な呟きに、ひたすら耳を傾けようではないか ―ケリー・ライカート小論―/黒沢清『スパイの妻』『蛇の道』/濱口竜介『悪は存在しない』/映画の「現在」に向けて ゴダールの『奇妙な戦争』に触れて思うこと/年間ベスト10

少女には向かない完全犯罪
文芸(単行本)
「教えて?復讐のやり方を」
一人ぼっちの少女が頼ったのは、あと7日で消滅する幽霊。
伏線、伏線また伏線!
2年連続本格ミステリ大賞ノミネート作家による
終着点が心震わせる本格ミステリ
☆☆☆
なにもできない二人が、
逃げ、考え、罠にかける!
頭脳戦の楽しみに満ちた爽快な復讐譚!
黒羽烏由宇は、ビルから墜落し死につつあった。
臨死体験のさなか、あと七日で消滅する幽霊となった彼は、
両親を殺された少女・音葉に出会う。
彼女は、出会い頭に彼に斧を叩き込んで、言う。
「確かに、幽霊も子供も一人じゃ何もできないよ。
でも、私たちが力を合わせれば、大人の誰にもできないことがやれると思わない?」
天井に足跡の残る殺人、閉じ込められた第一発見者、犯人はこの町にいる。

春のほとりで
文芸(単行本)
十代のあなたに会いにいこう。
声を殺して泣いた日も、無理して笑ったあの日も。
ぐっと押し込めた心の痛みを、君嶋彼方は掬いとる。
学校の片隅で紡がれる、青とも春とも限らない日々を描いた連作短編集。
■収録作品
走れ茜色 「俺と同じ人を好きな君。だからこの嘘は、絶対に隠し通す」
樫と黄金桃 「小学生時代の忘れたい過去。あの子だけがそれを知っている」
灰が灰に 「屋上で出会った不良。ある日、彼に屋上に呼び出されーー」
レッドシンドローム 「偶然見つけてしまった親友の裏アカ。一体どうしてこんなこと」
真白のまぼろし 「初めて漫画を描いていると話せた友達。一緒に描こうと決めたのに」
青とは限らない 「唯一心を許せる男友達。男女の友情って成立しないの?」
大人になれば忘れてしまう、全力でもがいたあの日のこと
『君の顔では泣けない』の著者最新作
読むならここから!

フェイク・マッスル
文芸(単行本)
独自の世界で勝負できる書き手だと思う。--東野圭吾
頭抜けて面白かった。--綾辻行人
まんまと作者の術中にはまった。ーー有栖川有栖
エンタメとして読ませるテンポの良さも素晴らしい。ーー辻村深月
潜入取材シリーズとなれば喜んで追っていきたいと思います。――湊かなえ
あらすじ
たった3ヵ月のトレーニング期間で、人気アイドル大峰颯太がボディービル大会の上位入賞を果たした。SNS上では「そんな短期間であの筋肉ができるわけがない、あれは偽りの筋肉だ」と、ドーピングを指摘する声が持ち上がり、炎上状態となってしまう。当の大峰は疑惑を完全否定し、騒動を嘲笑うかのように、「会いに行けるパーソナルジム」を六本木にオープンさせるのだった。
文芸編集者を志しながら、『週刊鶏鳴』に配属された新人記者・松村健太郎は、この疑惑についての潜入取材を命じられ、ジムへ入会する。馬場智則というベテラン会員の助力を得て、大峰のパーソナルトレーニングを受講できるまでに成長。ついに得た大峰との一対一のトレーニングの場で、ドーピングを認める発言を引き出そうとするが、のらりくらりと躱されてしまう。あの筋肉は本物か偽物か。松村は、ある大胆な方法で大峰をドーピング検査にかけることを考え付くのだが――?
フェイクが氾濫する時代の、「真実の物語」が始まった。

春、出逢い
文芸(単行本)
短歌の力は、アイドル歌会で折り紙つき。
愛萌さんだから描けた等身大の青春に、心が弾みます。――俵万智
存続危機の文芸部が目指すのは、短歌甲子園出場。
三十一文字に込めた世界をめぐる初の青春小説。
東京都立櫓門高等学校文芸部・二年生で部長の吉徳紅乃は、先輩の木虎礼登と部員集めに奔走していた。
顧問の先生の提案から短歌初心者が多い中、八月に開催される短歌甲子園出場を目指すことに。
瑞々しく等身大の言葉で競い合う、作家・宮田愛萌が描く高校生たちの熱き青春譚。
物語を彩る、宮田愛萌さんによるオリジナル短歌を約六十首収録。
初回限定 特製短歌しおりをランダム封入(全五種)

日本扇の謎 愛蔵版
文芸(単行本)
舞鶴の海辺の町で発見された、記憶喪失の青年。名前も、出身地も何もかも思い出せない彼の身元を辿る手がかりは、唯一持っていた一本の「扇」だった……。そして舞台は京都市内へうつり、謎の青年の周囲で不可解な密室殺人が発生する。事件とともに忽然と姿を消した彼に疑念が向けられるが……。動機も犯行方法も不明の難事件に、火村英生と有栖川有栖が捜査に乗り出す!

今宵も猫は交信中
文芸(単行本)
第17回小説現代長編新人賞受賞後第一作!
猫がごろごろと喉を鳴らす理由を、皆さんはご存じですか?
実は、テレパシーで他の猫と交信している真っ最中なのです――
宵、きせき、シュトレン、めい子の4匹は別々の家に引き取られた四姉妹。今日も元気にごろごろ喉を鳴らし、テレパシーで会話中。しかし、いつも明るいめい子の様子がおかしい。飼い主夫婦が離婚の危機にあるようだ。猫の自分には引き留めることができないと途方に暮れるめい子の元に現れたのはなんと宵だった! なぜならお姉ちゃんだから!
猫と猫、猫と人の絆を描く、猫視点ハートフルドラマ!

死んだ石井の大群
文芸(単行本)
白い部屋に閉じ込められた333人の石井。失敗すれば即、爆発の3つのゲームで試されるのは、運か執着心かーー。
14歳の唯は死にたかった。理由なんてなかった。何度も死のうとした。死ねなかった。今、はじめて生きようと思った。この理不尽な遊びから抜け出すために。
探偵の伏見と蜂須賀の元に、石井有一という人物を探してほしいという依頼がきた。劇団の主宰が舞台での怪演を目の当たりにし、その才能にほれ込んだ矢先の失踪だった。
唯と有一の身に何が起きたのか、そして二人の生死の行方はーー。

かごいっぱいに詰め込んで
文芸(単行本)
「いいなあ、幸せそうで」
スーパーを訪れる5編の「生活」。
寿退社をして主婦となり、子どもが手を離れた美奈子。社会に出て働こうと思い立つが、転職活動は思うようにいかない。
(「おしゃべりなレジ係」)
小学生の頃からのある癖によって痩せた、大学生の流花。しかし「ぶた」と呼ばれて受け流してしまった当時の自分を未だに許せない。
(「小さな左手」)
元彼女に二股をかけられて以来、マッチングアプリで遊ぶようになった亮。ある日会社の後輩から、SNSで自分がヤリモクの要注意人物として晒されていると知らされる。
(「気をつけてください!」)
友達の結婚ラッシュに焦り、婚活アプリで出会った貴文と結婚した咲希。出産した友達に「次は咲希の番だね」と言われ、咲希も妊活を始める。
(「なわとびの入り方」)
IT化についていけず、早期退職した哲郎。ハローワークで再就職先を見つけられず、妻にも愛想をつかされ、公園のベンチで昼食をとる日々が続く。
(「不機嫌おじさん」)
「もう無理かもしれない」そんな気持ちを真下みことは掬い上げ、寄り添い、抱きしめてくれる。