講談社文庫作品一覧

殺意の複合
講談社文庫
旧正月元旦の香港で、日本総領事館の高野が刺殺された。複雑な犯罪の匂いも漂う。同じ総領事館へ警察庁から出向中の佐島にも報告が届いた。佐島は友人・陳展望を呼び出して助言を乞う。陳展望は食通で、並はずれた推理力をもつ奇人である。香港を舞台に、魅力的な中国人名探偵を活躍させる、出色の推理連作集。

ピラミッド社会の底辺から
講談社文庫
企業組織の力を個人の力として錯覚し、転落するエリート。通勤を急ぐあまり路上の病者を死なせてしまう、群衆という名の殺人者。身分をひた隠しして男性社員との恋を謳歌した、社長令嬢の誤算。――ビジネス社会の残酷な底辺でうごめき、出世や左遷、そして屈辱の日々を送る、サラリーマンの生きざまを考現し、痛烈に描破した、掌編小説集。

美しい死刑
講談社文庫
過熱した受験戦争をめぐって起こる恐るべき犯罪。――名門の私立御濃高校教師の車のトランクに、犬の死骸が投げこまれていた。日経ずして、女性外務員殺人事件と問題の高校教師殺人事件が相次ぐ。だが、これらの事件には、不思議な女の影がちらついていた。はたして、3つの事件の共通項、接点の裏に隠された真相とは何か?

男の博物誌 雨彦のサラリーマン講座(1)
講談社文庫
ヒラ社員必読、管理職必携の好エッセイ集。サラリーマン人生の運転免許証にして、会社という戦場で闘う戦士たちに必須の兵法書ーーサラリーマンは、男らしい仕事である。出世の競争もあろう、自分では選べない上司の理不尽なふるまいもあろう、無駄な会議も多かろう……。だが、愚痴を抑えて、ラッシュの電車にもまれ、少しばかりの酒にやりきれなさを託しつつ、今日も働いているこの健気な戦士たちを、男らしいと呼ばずして、何と言おうか?

中核VS革マル(下)
講談社文庫
かつては高揚する学生運動をささえていたはずの中核と革マル。だが、果てしないその対立は、鉄パイプによる内ゲバ殺人へとエスカレートしていった。世界の社会運動の歴史においても稀にみる激烈で凄惨な両派の内部抗争の局面を、戦後の学生・労働運動の流れに遡って詳細に跡づける衝撃の実態レポート。
かつては高揚する学生運動をささえていたはずの中核と革マル。だが、果てしないその対立は、鉄パイプによる内ゲバ殺人へとエスカレートしていった。世界の社会運動の歴史においても稀(まれ)にみる激烈で凄惨な両派の内部抗争の局面を戦後の学生・労働運動の流れに遡(さかのぼ)って詳細に跡づける衝撃の実態レポート。

中核VS革マル(上)
講談社文庫
血で血を洗う殺戮戦争を続ける学生や労働者たち。その覆面の下には、どんな素顔が隠されていたのか。高い理想と正義感から生まれたはずの“革命”運動が、両党派間の内ゲバ殺人に転化していった悲惨な歴史の逆説。いま困難な時代の転換期にあって、先行世代の軌跡を見詰めなおす綿密なドキュメント。

まぼろしの城
講談社文庫
関東管領が越後に〔亡命〕して、世は下克上。要衝沼田城は越後の上杉と甲斐の武田の争奪の的となる。強大な大名の圧力を受ける沼田城の運命は……。時代の大きなうねりは各地の小さな城を呑みこんでいく。城を盗り覇権を争う武将たちの野望を背景に、沼田万鬼斎とその一族の凄絶な滅亡を描いた戦国雄篇。
武田勝頼(一)陽の巻
講談社文庫

ヒトラーの陰謀
講談社文庫
そのとき現場は巨大な密室だった――1933年2月、何ものかに放火され炎上したドイツ国会議事堂。政治警察は即日、犯人として共産党員を逮捕したが、奇怪な現場状況は20世紀最大の謎に……。成立後わずか1ヵ月のヒトラー内閣が秘密の目的のために仕組んだとされる事件の全貌を暴くノンフィクション。
たった一人の反乱(下)
講談社文庫
たった一人の反乱(上)
講談社文庫

牟田刑事官事件簿
講談社文庫
自由に捜査活動のできる特権をもつ熟年警察官・牟田を通して描かれた、出色の警察小説集。人生の光芒をとらえた警察小説の決定版ーー殺人現場に立っていた少年は、現行犯として逮捕された。彼は自白を始めたものの、肝心の部分にくると黙秘である。取調官は焦りはじめた。アドバイザーの立場から現場写真をみた牟田は、ふと疑念を抱く。犯罪捜査のエキスパートとして自由に活動できる熟年警察官を主人公にした、異色のポリス・ストーリィ。ドラマ化もされた名作。
絃の聖域(下)
講談社文庫
絃の聖域(上)
講談社文庫

都市の論理 第二部 現代の闘争
講談社文庫
いま日本を変革していくための実践の書。住宅、公害など今日の都市問題の解決策を示して、都市自治体連合を説く真の予言と警醒の書ーー深刻な住宅不足、公害問題、環境の破壊、自治体財政の破綻など、切迫した今日の都市問題は、どうしたら解決できるのか? 無用な公社公団を廃せ! 独占資本の軍事政策を阻止せよ。……ひとつひとつ例をあげて論じつつ、真の行政改革は、都市自治体の連合にあることを説く。大いなる予言と警醒の書、第2部。<全2巻>

都市の論理 第一部 歴史的条件
講談社文庫
全国民必読の書といわれたベストセラー。真に豊かで自由な人間生活のために、国家から都市の自治権を奪回せよと説く情熱の書ーー人間が豊かで自由に暮していくために、あの戦後民主主義が理想とした自治の精神を、今こそ蘇らせよう。都市の自治権を国家から奪回せよ! 国家独占の腐敗と堕落を許すな。ヨーロッパの都市の歴史を辿りつつ、われわれ市民には自立の喜こび、実践家には行動の指針を示して、勇気と情熱をあたえる真の名著。<全2巻>

ちょっとキザですが
講談社文庫
世界中を飛びまわり、各国首脳との単独インタビューから、庶民生活までつぶさに見てきた、元NHKの人気ニュース・キャスターで、国際的ジャーナリストのエッセイ集。多年の海外生活とインターナショナルな視点から、欧米との比較において、日本と日本人を考える。平易な語り口と豊富な実例が、国際感覚の乏しい日本人に示唆するものは、限りなく多い。ミスターNHKの軽快エッセイ!

私を変えた聖書の言葉
講談社文庫
聖書の一言一句を、体験をふまえて解き明かし、人間的魅力にあふれた聖書の意味を語るーー人が〈どんな人間であったらよいか〉と自問するとき、聖書の一言一句はみごとな輝きを放つ。人間の心の弱さ醜さを見据えた上で、人の採るべき道を教え示してくれる。日々の生活の中で当面する愛や幸福を、あるいは信仰や平和を、聖書はどう語っているだろうか。クリスチャンである著者が人生の指針として、その魅力を解き明かした長篇エッセイ。

フィナーレの発想
講談社文庫
序曲が、たとえどれほど素晴らしくても、円熟しない人生は失敗である。人生がマラソンなら、ゴールをめざし完走する人生のフィナーレの花を、いかに咲かすか――充実した無為、道草のすすめ、クーリング・ダウンのこつ、読書術などなど……「自分自身のライフワーク」を切望する人々に、「生き方」への示唆にあふれた〈人生読本〉。

血汐笛
講談社文庫
尊皇攘夷の声、漸く高まる花のお江戸。麗しい双子の将軍家息女をめぐり、公卿と幕閣の間に、陰謀が企てられていた――暗躍する刺客団に立ち向うは、滅法強い謎の剣士・笛ふき天狗、そして孤独の影やどす美丈夫・きらら主水(もんど)。運命の糸に操られ、快刀乱麻を断つ大活躍……痛快無比、胸のすくような一大ロマン。美姫・由香と甲姫の運命やいかに!