日蓮 その生涯と思想

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日蓮 その生涯と思想

ニチレンソノショウガイトシソウ

講談社現代新書

日蓮が生きた貴族時代から武士団社会への過渡期は、強者が弱者をむさぼる混沌の時代であった。日蓮の目にそれは、末法の現われと映じ、末法であればこそ法華経に帰依し、武力に代わる仏法をもって、世の道理とせねばならぬと説いたのであった。本書は、法難の連続であった生涯を跡づけながら、その法華経への絶対帰依の思想を、現代との連関で明らかにしてゆく。宗教社会学者の手によって公平な場におかれ、なお魅力あふれる日蓮像がここにある。

日蓮の思想の系譜――日蓮の考え方を知るうえにおいて、心得ておかねばならぬことは、その思想の系譜に2つのものがあることである。1つは、古来外相承と呼ばれているものである。他の1つは、内相承と呼ばれているものである。外相承というのは、インドの釈尊、中国の天台、日本の伝教および日蓮という系譜であって、これを日蓮自身の言葉によれば、三国四師というのである。これに対して内相承というのは、釈尊から本化地涌の菩薩の上首、上行を媒介として、直ちに日蓮にいたるものである。事実日蓮は、佐渡へ流される前は天台沙門日蓮と称していた。佐渡に流されて以後は、本朝沙門日蓮と記すように変ってきている。――本書より


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目次

●日蓮の生涯
 迫害をものともせず
●立正安国論とその真意
 安国論の根本思想
●身延の山中より
 報恩鈔――仏の説き残した3大秘法
●日蓮の信念
 何をどのように信ずるか――3秘の法門
●現代に生きる日蓮
 日蓮の信仰に生涯をささげた宮沢賢治

書誌情報

紙版

発売日

1967年12月16日

ISBN

9784061155350

判型

新書

価格

定価:1,012円(本体920円)

通巻番号

135

ページ数

208ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介

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