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須弥山と極楽 -仏教の宇宙観-
シュミセントゴクラクブッキョウノウチュウカン
- 著: 定方 晟

須弥山とは高さ56万キロ、33人の天神が住む想像上の高峰である。紀元5世紀、インドで集大成された『倶舎論』は、この須弥山にはじまり、人間が宇宙をどう把えていたかを、詳細に描写している。本書は、この『倶舎論』を基礎に、仏教の宇宙観の変遷をさぐり、輪廻と解脱の2つの思想の誕生・発展の経緯を明らかにし、その現代的意味を説く。
輪廻と解脱の思想――仏教にはさまざまな経典や言葉があるけれど、結局は輪廻と解脱の2つの思想に帰するといえよう。仏教者はこうした輪廻的宇宙と解脱への道との両方を、それぞれ吟味し、研究し、やがてそれらを1つの壮大な体系にしたてあげた。そのような体系を示す書物の1つに、インド5世紀の仏僧ヴァスバンドゥの『倶舎論』がある。この中に須弥山説と呼ばれる仏教宇宙観が示されている。これが、後に“地獄と極楽”にまつわるさまざまな考え、描写へと発展し、日本にも大きな影響をあたえた。一見、過去のもの、われわれとは無縁のものと思われる仏教宇宙観も、実は、いまや新しい世界観を樹立する上で、重要な役割をになおうとしている。――本書より
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目次
●人間は宇宙をどう把えたか
仏教に説かれたインド亜大陸/太陽と月
●仏教の“地獄と天界”
地獄の世界/天界の構成/禅定者の世界
●極大の世界と極微の世界
●仏教宇宙観の底を流れるもの
時間と人生/宇宙の生成と消滅/業と輪廻
●西方浄土の思想
●地獄はどう伝えられたか
●仏教の宇宙観と現代
書誌情報
紙版
発売日
1973年09月26日
ISBN
9784061157309
判型
新書
価格
定価:770円(本体700円)
通巻番号
330
ページ数
193ページ
シリーズ
講談社現代新書
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