いかに生きるか

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いかに生きるか

イカニイキルカ

講談社現代新書

私たちの人生にとって大切なのは、人間経験の深まりである。それが人格をつくり、自立した個人を育て、生きる道を明らかにする。私たちは、その「経験」を、どのように深めてきたか。著書は自らの「経験」を、問い直しながら、日本的な人間関係、社会組織、情緒観などを省察し、日本人の“生”のありようを、真摯に追究する。そのとぎすまされた批判力と、みずみずしい感覚、生を凝視してきた精神の深みは、根源的な問いへの回答を用意するだけでなく、私たちに生きる勇気を与えてくれる。

思索と「経験」の深みから――本書の主題は、「いかに生きるか」ですが、それは、自分がいかに生きたかを包み隠さず、凝視する精神と1つになっています。このような点において、森有正ほどに、自分をかざらずに、裸の1人の人間として、自由に、勇気をもって、この困難な問いの核心に侵入できる知性は、存在しないのではないかと思います。すべての硬直した思考やイデオロギーから自由なところで、しばしばキリスト教的有神論からさえも自由なところで、生き生きと森有正は、生きることの問題について語っています。そこにみられるとぎすまされた批判力と、みずみずしい感覚は、読者の心をとらえずにはおかないでしょう。知性の高みが、経験の深みと、見事に一体化しているのです。ここに森有正の独自な世界があります。――解題・山形孝夫


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目次

●人格の基礎をつくるもの
 民主主義を守るということ/解体されざる人格とは
●日本人の生き方
 独立しない日本人の「経験」/一人称・二人称関係の社会
 生きる道としての「もののあわれ」/「あわれ」に反映する世界観
●自立した個人となるために
 個人としての自覚/日本的人間関係
●生きるための信仰
 信仰と人間経験と/死・罪・不安
 人間の罪を通して神を知る/いかに生きるか

書誌情報

紙版

発売日

1976年09月21日

ISBN

9784061158450

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

445

ページ数

204ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介

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