空と無我 仏教の言語観

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空と無我 仏教の言語観

クウトムガブッキョウノゲンゴカン

講談社現代新書

「行くものは行かず」――ナーガールジュナの逆説(パラドックス)が示す、言語(ロゴス)の限界と可能性とは? シャープな論理展開で、〈空〉の思想と〈無我〉の実践に大胆にアプローチ。

イルカのジャンプ――言葉の海を越えて
有限や無限という言葉(あるいは概念)は、微分・積分のような高度な計算を可能にし、世界を支配する巨大な力を生み出した。しかし、それでもなお言葉はあくまでも道具であることを知らねばならない。それをもって世界を説明しようとしてはならない。仏教はそのことを教えるために無分別や無念無想などという言葉を使うのである。ひとは幼児期から言葉の海にひたって育つ。ひとが言葉の海を突きぬけるためには、イルカのようなジャンプが必要なのである。――本書より


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目次

●われ思う、ゆえにわれあり
●無我と非我
●なにが輪廻するのか
●色――「肉体」から「物質」へ
●空と無のちがい
●デーヴァの尻とり問答
●なぜ「行くものは行かない」のか
●跳躍台としての言葉
●唯識思想の誤謬
●空思想は神秘主義にあらず
●無我の実践

書誌情報

紙版

発売日

1990年05月15日

ISBN

9784061489974

判型

新書

価格

定価:770円(本体700円)

通巻番号

997

ページ数

204ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介

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