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イギリス紳士のユ-モア
イギリスシンシノユーモア

山高帽にこうもり傘、悠揚せまらぬ精神から大英帝国を彩るユーモアが生まれた。当意即妙、グロテスクなまでにブラック、自分を笑う余裕。帝国最良の産物たる紳士の最高のユーモアを味わい、そのさりげないダンディズムにせまる。
人間と世事全般を余裕をもって見つめる――イギリス人と話をしたり、何冊かの書物を読んだりして気がつくのは、彼らの性格の根本の部分に、自分を含めた人間全般と種々の物事とを、余裕のある態度で見つめる能力があるのではないかという点である。無論人間だから時には感情を爆発させたくなるときもあるだろう。あるいは悲哀の情にとらわれて、これを人目もはばからず表に出したくなるときもあるかもしれない。しかし、そうしたことをする一歩手前で踏みとどまり、自分自身を外側からながめることで、何とか精神の均衡を保とうとする。これはイギリス人、中でもその最良の部類たるイギリス紳士の大きな特色ではあるまいか。そしてこの余裕と、深刻な事態に瀕しても失われることのない冷静さの中から、あの独特のユーモア感覚も生まれてくるのだと言えよう。――本書より
目次
●古い家系ほど価値がある。
●紳士のライフ・スタイル
●なぜ酒を飲むのか
●紳士の至副の瞬間
●最高のユーモアを生んだ国
●チャーチルのユーモア
●当意即妙のユーモア
●毒舌と紙一重
●イヴリン・ウォーのユーモア
●グロテスクなまでにブラック
●偏見からもユーモアが生まれる
●紳士、このしたたかなるもの
書誌情報
紙版
発売日
1990年10月17日
ISBN
9784061490239
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1023
ページ数
198ページ
シリーズ
講談社現代新書