白村江

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白村江

ハクソンコウコダイヒガシアジアタイセンノナゾ

講談社現代新書

海水みな赤し――唐・新羅連合軍の前に倭国の百済救援作戦は打ち砕かれた。日本の国家形成途上に起こった壮大なパワーゲームを検証し、古代史の通税を覆す力作。

2日間の戦闘を読み解く――倭国水軍はこの日、再度唐軍に攻撃を敢行した。しかし、この日の総攻撃に入るまでには、前夜、倭国水軍のなかで意見の分裂と対立があった。そのため、倭国水軍の攻撃は全体的な統制の採れていない、極めてちぐはぐなものであった。……唐船は倭船のなかに火矢を射込んだ。倭兵は懸命に消化につとめたが、間に合わなかった。多くの倭船が炎につつまれ、倭兵は放り出されるようにして錦江に飛び込んでいった。船より落ちた者は唐兵の放つ矢の恰好の標的となるか、あるいは溺れ死ぬしかなかった。たちまちのうちに、錦江河口の海水が倭兵の流す血に染まっていった。――本書より


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目次

●捕虜たちの生還
●玄武門の変の落とし子 唐――高宗
●大化から白雉へ 倭国――孝徳天皇
●海東の曾子 百済――義慈王
●姿顔美しくて 新羅――金春秋
●君臣みな俘となる 百済滅亡の日
●亡びたる国を興す 百済の遺臣たち
●潮もかないぬ 斉明女帝、西へ
●海水みな赤し 倭船400艘炎上す
●敗戦史観を見直す

書誌情報

紙版

発売日

1997年10月15日

ISBN

9784061493797

判型

新書

価格

定価:946円(本体860円)

通巻番号

1379

ページ数

238ページ

シリーズ

講談社現代新書

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