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これが現象学だ
コレガゲンショウガクダ
- 著: 谷 徹

現代哲学の大きな潮流をなす現象学とはそもそも何なのか。空虚になった学問の危機を克服し、人間の直接経験から出発して世界に至る思想の全貌を解説!
あなたと私が現象学だ――現象学の具体的な内容に踏み込む前に、フッサールが好んだ言葉を2つ引いておきたい。ひとつは「自分自身で考える人」(Selbstdenker)という言葉であり、この言葉で、フッサールは自分が尊敬する哲学者を称賛した。もうひとつは「ともに哲学する」(synphilosophein)という言葉であり、この言葉で、フッサールは自分が仲間だと思う人々に呼びかけた。「自分自身で……」と「ともに……」という2つの言葉は、一見すると、互いに矛盾するように思われるかもしれない。ところが、そうではない。
……彼は1916年にフライブルク大学に移り、そこで若きハイデガーと出会った。しばらくしてフッサールはハイデガーの哲学的・現象学的な素質の大きさに気づく。彼は真に「ともに哲学する」パートナーを見つけたと信じた。彼はハイデガーに言った。「あなたと私が現象学だ」――本書・
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目次
●あなたと私が現象学だ
●現象学の誕生
●現象学の学問論
●直接経験とは何か
コーヒーブレイク――日本語の数詞と助数詞
コーヒーブレイク――名探偵の個体論
●世界の発生と現象学
●時間と空間の原構造
●他者の現象学
コーヒーブレイク――超越論的自我は自転車に乗れるか
(抜粋)
書誌情報
紙版
発売日
2002年11月15日
ISBN
9784061496354
判型
新書
価格
定価:1,012円(本体920円)
通巻番号
1635
ページ数
264ページ
シリーズ
講談社現代新書
著者紹介
著: 谷 徹(タニ トオル)
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