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『源氏物語』を江戸から読む
ゲンジモノガタリヲエドカラヨム
- 著: 野口 武彦

中世以来『源氏物語』の注釈は公卿の師弟間の口伝でなされてきたが、出版技術の確立した江戸期に多彩な源氏学が開花した。本居宣長「もののあはれ論」はじめ、国学者・儒学者・文人たちの江戸源氏学の諸相と、井原西鶴『好色一代男』、柳亭種彦『田舎源氏』等のパロディ群出現で庶民に浸透した世俗化現象を分析。江戸文化が不滅の古典『源氏物語』をいかに享受し、消化したかを縦横に考察した意欲作。
- 前巻
- 次巻
目次
●第1部 『源氏物語』を江戸から読む
1 最初の密通はいつおこなわれたか──葛西因是(かさいいんぜ)の『雨夜閑話(あめのよかんわ)』
2 くもる源氏に光る藤原──村田春海(はるみ)『源語提要』
3 英才教育のイロニイ──鈴木朖(あきら)の『少女(おとめ)巻抄注』
4 都会文学としての田舎源氏──柳亭種彦の『偐紫田舎(にせむらさきいなか)源氏』
5 江戸王朝の栄華の夢──正親町(おおぎまち)町子の『松蔭(まつかげ)日記』
●第2部 江戸源氏学入門
1 「もののまぎれ」と「もののあはれ」──萩原広道(はぎわらひろみち)『源氏物語評釈』の「惣論(そうろん)」をめぐって
2 注釈から批評へ──萩原広道『源氏物語評釈』をめぐって
3 「語り」の多声法──萩原広道の「構造」主義源氏学をめぐって
4 古典文学の通俗化──都の錦『風流源氏物語』をめぐって
5 江戸儒学者の『源氏物語』観──熊沢蕃山(ばんざん)『源氏外伝』をめぐって
6 「語り手」創造──「ものがたり」という基層
書誌情報
紙版
発売日
1995年04月04日
ISBN
9784061591721
判型
A6
価格
定価:833円(本体757円)
通巻番号
1172
ページ数
262ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1985年7月、小社より刊行
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
最初の密通はいつおこなわれたか
初出
『群像』1981年5月号
-
作品名
くもる源氏に光る藤原
初出
『群像』1981年8月号
-
作品名
英才教育のイロニィ
初出
『群像』1982年8月号
-
作品名
都会文学としての田舎源氏
初出
『群像』1983年2月号
-
作品名
江戸王朝の栄華の夢
初出
『すばる』(集英社)1984年9月号
-
作品名
「もののまぎれ」と「もののあわれ」「書斎の窓「
初出
(有斐閣)1981年1月号
-
作品名
注釈から批評へ
初出
「言語生活」筑摩書房1983年2月号
-
作品名
「語り」の多声法
初出
青土社1980年12月号
-
作品名
古典文学の通俗化
初出
「言語生活」1982年11月号
-
作品名
江戸儒学者の『源氏物語』観
初出
「文学」岩波書店1982年7月号
-
作品名
「語り手」創造「国文学」
初出
学燈社1982年10月号
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