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源氏物語入門
ゲンジモノガタリニュウモン
- 著: 藤井 貞和

平安中期に成立した、日本古典文学の不滅の金字塔『源氏物語』。著者は、〈神話〉の古代から〈物語〉の中世への文学史の流れを見きわめ、平安貴族が愛読した『漢書』の李夫人伝や白居易『長恨歌』が『源氏物語』にどのような影響を与えたのかを具体的に指摘。『源氏物語』三部五十四巻の豊饒な世界の隅々にまで分け入り、その重層的な物語の構造を的確に解説した。最新最良の入門書、待望の文庫オリジナル。
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目次
1 予言は実現するか
1.ひらかれる「桐壺の巻」――光源氏物語の端緒の成立
1.主題をたぐりよせる
2.作家の体験 時代の体験
3.『長恨歌』を読み直す
4.「李夫人説話」の構想
5.「楊貴妃のためし」
6.寵愛と迫害と 7.物語の時間を決める
8.桐壺更衣を鎮魂する場所
2.ふたたび「桐壺の巻」について
1.桐壺更衣が訴えたかったこと
2.野分の段で示されたこと
3.桐壺帝が知りたかったこと
4.藤壺の物語へ
3.神話の論理と物語の論理
1.玉のきず、藤壺の思い
2.疵なき玉、桐壺帝の決断
3.桐壺家の遺志を知る帝の「遺言」
4.運命の実現――「宿世遠かりけり」考
1.「相人の言むなしからず」
2.「思ひのごと、うれし」
3.異文の問題――「は」と「も」
4.「宿世」実現の道程とは
5.自身の帝位はない
6.「乱れ憂ふること」
2 明石の君 うたの挫折
1.『源氏物語』の和歌
2.畿内から畿外へ 危険を避けて
3.異郷としての明石の地 故父帝を夢に見る
4.紫上と明石の君 年齢について
5.最初、明石の君は返歌をせず
6.二首めのうた
7.別れの場面の第三首
8.京における源氏召還の方向
9.別れの歌群
10.澪標の巻の見渡し
3 憑入の文学
1.病としての「物語」
2.物憑きの正性と負性
3.守護霊と怨霊と
4.大い君の霊魂を処理する
5.浮舟の「成巫(せいふ)」過程として
6.宗教者としての浮舟
7.夕顔の巻のもののけ
4
書誌情報
紙版
発売日
1996年01月10日
ISBN
9784061592117
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
1211
ページ数
290ページ
シリーズ
講談社学術文庫
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