チャップ・ブックの世界  近代イギリス庶民と廉価本

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チャップ・ブックの世界  近代イギリス庶民と廉価本

チャップブックノセカイキンダイイギリスショミントレンカボン

講談社学術文庫

行商人が提供した本と読書の楽しみ、そして大衆文化への拡がり

18世紀のイギリスで、行商人チャップマンが日用品とともに売り歩いた素朴な廉価本――チャップ・ブック。安価で手軽に面白い話が読めることで、庶民に大いに愛された。占い、笑話、説教、犯罪実録、『ロビンソン・クルーソー』などの名作ダイジェスト……その多様なジャンルの読み物を人々はどう楽しんだのか。本の受容を通して、当時の庶民の暮らしぶりを生き生きと描き出す。

金に余裕のある上流階級や貴族はともかくとして、一般の労働者や庶民にとっては、いわば英文学の本道を行くような作品は高嶺の花だったと言うことができよう。1週間なり1ヵ月なりを飲まず食わずで過ごして本を買うなどというのは、恐らくよほどの酔興でなければ考えつかないことだったのである。その意味で、1ペニー、2ペンスという値段で買えるチャップ・ブックは、貴重な存在であった。――<本書より>


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目次

第1章 様々のチャップ・ブック――宗教書・実用書・旅行記
第2章 庶民たちの愛したもの――笑話集(ジェスト・ブック)・占い・魔女
第3章 名作ダイジェスト――『ロビンソン・クルーソー』を中心に
第4章 チャップ・ブックの精神――伝説のヒーローたち
第5章 歌物語の系譜――バラッドからナースリー・ライムまで
第6章 犯罪実録の盛衰――ニューゲイト小説への道
第7章 無名の作者たち――「グラッブ・ストリート」からハンナ・モアへ
第8章 チャップ・ブックの出版と流通――ダイシー、キャトナック、そしてチャップマン

書誌情報

紙版

発売日

2007年07月12日

ISBN

9784061598287

判型

A6

価格

定価:1,056円(本体960円)

通巻番号

1828

ページ数

288ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

1988年、駸々堂出版より刊行された『チャップ・ブック』を文庫化。

著者紹介

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