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最後の命
サイゴノイノチ
- 著: 中村 文則

芥川賞受賞後、はじめての長篇小説。
浮浪者たちに輪姦されている精神薄弱の女・やっちりを目撃した私と友人・冴木。
夜の工場跡地で体験した、暴力の光景。後日、やっちりは死体となって発見される。
少年時代に体験したひとつの死。
二人の生き方は、成長するにつれだんだんと社会から逸れていってしまう。
ある日、大人になった私のもとに冴木から電話がかかり、二人は再会する。
数日後、私が自宅に帰宅すると自分の部屋の中で、ひとりの女が死んでいた。
それは、よく指名するデリヘルのエリコだった……。
心の闇、欲望、暴力とセックス、そして人間とは何か。
暴力と人間をテーマに描く芥川賞作家が全精力を傾け、ミステリアスな物語とスピード感あふれる文章で描き出した傑作長篇小説。
書誌情報
紙版
発売日
2007年06月13日
ISBN
9784062139595
判型
四六
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
216ページ
初出
『群像』’07年2月号
著者紹介
小説家 1977年9月2日、愛知県東海市生まれ。 1996年、愛知県立東海南高等学校卒業。 2000年、福島大学行政社会学部、応用社会学科卒業。以後、作家になるまでフリーターを続ける。 2002年、『銃』で第34回新潮新人賞を受賞してデビュー。芥川賞候補となる。 2004年、『遮光』で第26回野間文芸新人賞を受賞。 2005年、『土の中の子供』で第133回芥川賞を受賞。 そのほかの著書に『悪意の手記』がある。